4部分:第四章
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第四章
その笑みでギルガメシュを見てだ。そのうえで話すのだった。
「流石はシュメールの王にして英雄であるギルガメシュじゃ」
「私だからか」
「御主は以前は暴君であった」
それで悪名高かった。横暴を極めていた。しかしあることから考えをあらためてからだ。
彼は名君でありしかも英雄になった。男はそのことを言うのだった。
「しかし今は違うからのう」
「それもまたか」
「その御主だからこそ言えることじゃ」
そのだ。罪を背負うということだった。
そのことを指摘してだ。男は話すのだった。
「人は罪を背負いその罪以上のことができるとな」
「それが人なのだ」
「罪を意識してこそじゃな」
「人は必ず罪を犯す」
それは絶対だとだ。ギルガメシュは述べた。
「だが。その罪を心に残しそのうえでだ」
「罪より多くのことを果たせる」
「人間はそれができる。だから人間はいいものなのだ」
「そうじゃな。ではじゃ」
「では?」
「英雄王よ」
ギルガメシュを指した言葉に他ならない。
「そのまま進むのじゃ。御主の罪以上のことを果たすのだ」
「喜んでそうさせてもらおう」
「では。わしはじゃ」
ここまで話をしてであった。
男は言葉を一旦止めてだ。そうしてだった。
一人静かに消えていきながらだ。ギルガメシュに話すのだった。
「これで去るとしよう」
「何処に去るつもりだ」
「影じゃ」
影だというのだった。
「影の中に戻るとしよう」
「ではそなたは」
「わしは影じゃ」
それだというのである。
「人の後ろにいつもいるじゃ。影なのじゃよ」
「そなたはそれだったのか」
「いつも人を見てきた」
こうも言うのであった。姿を下から消しながら。
「そして罪も見てきたが。そういうことじゃな」
「そうだ。少なくとも私はそう思う」
「いや、その通りじゃ」
「私の言葉は正しいか」
「正しいのう。では人がその罪を背負いその罪より大きなことをこれからも見させてもらおう」
「そうするのか」
「影としてな」
そうするとだ。答える影だった。
「そうさせてもらうぞ。それではな」
「うむ、またな」
「いつも見ておるからな。期待しておるぞ」
「人間についてか」
「そういうことじゃ」
こう話してだった。影はその姿を完全に消したのだった。
その話が終わった時にだった。玉座のギルガメシュの前にだ。
大臣達が来てだ。こうそれぞれ彼に言うのだった。
「王よ、大事が起きました」
「またしてもです」
「大事。何があった」
「南で魔物が出ました」
「北から敵が攻めて来ました」
同時にだった。
「それに対してです」
「どうしましょうか」
「そうだな。まずは北だ」
ギルガメシュは即断した。躊
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