暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
エピローグ:誓約
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の子の未来へと繋ぐ架け橋となるんだ。だから・・・』
―――――
架
(
かける
)
それが、俺につけられた名だった。大雑把なつけ方ではあったが、それでも嬉しかった。
男と出会ってから一か月と少し経った頃、男は突然俺たちの前から姿を消した。当時寝泊りしていた家には置き手紙があった。
『息子の顔が見たくなったので帰ります。僕は日本という国にいる。もし会いたかったら冬木市という場所を訪ねなさい。君たちなら、僕の息子・・・士郎とも仲良くなれるだろう。この一か月はとても楽しかったよ。ありがとう。』
「それから数年後、俺たちは日本に渡った。当然あの人に会うためにな。」
だが結局、それが叶うことは出来なかった。男は、既に亡くなっていたのだ。架と茜はその後、性を「影沢」とし冬木市に住まうことに決めた。自分たちが望んだ穏やかな日常を過ごすために。
「まあこれが、昼間の話の続きかな。」
「そう・・・。」
今に思えば、あの人は自分の死期を感じていたのだろう。だから、架たちのもとを去ったのだ。最期の時を、血は繋がっていなくとも確かな繋がりはあると誇るように言っていた家族と過ごそうと・・・。
「それで、その・・・」
「ルイズ?」
「カケルは・・・帰りたいの?」
ルイズが恐る恐る尋ねた。ルイズの中ではきっとカケルは「帰りたい。」と答えると思った。それだけ想いれのある人たちがいる世界なのだ。帰りたいに決まっている。何より架を異世界に呼び出してしまったのは他でもない自分なのだ。
けれど・・・、架の口からそれが出るのを考えるとなぜだかとても怖かった。自分をマスターだと言ってくれた彼がまたいなくなってしまうのを考えると・・・。
「バ〜カ。」
「・・・ふえ?」
考えに浸っていたルイズは、かけられた声につい間抜けな返事をして顔を上げる。目の前には架の呆れたような顔があった。
「バ、馬鹿とは何よ!私はねえ・・・!」
「ルイズ、俺の言ったこと、もう忘れたのか?」
「・・・え?」
「確かに帰りたい気持ちがないわけじゃない。茜に会いたい、守ってやれなくてごめんって謝りたい。でも、まずやるべきことが出来た。」
「やるべき・・・こと?」
「俺はサーヴァントとして召喚されたんだ。だったら、主に仕えるのは当然だろう。言ったはずだ。お前を守ると、俺は他の誰でもないルイズのサーヴァントなんだと。」
「・・・・・。」
その言葉にルイズはまた泣きそうになった。嬉しかった。帰りたいと言わなかったからではない。彼がこのまま自分の傍にいてくれると分かったことが堪らなく嬉しかった。
それを言おうとするも、またしても恥ずかしくなり、「あ、ありがとう・・・」と俯
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