暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
エピローグ:誓約
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ダンスの経験がないと思っていたルイズだったが、架は思ってた以上に上手く踊れていた。曲のテンポは割と遅く決して難しいわけではないが、それでもキチンとルイズの動きについていっている。
 しかし、架は歯切れが悪そうに答えた。

「どこで習ったかって・・・・・まあ強いて言えば現在進行形で、かな〜。」
「・・・へ?」

 よく見ると架は顔を動かさず、視線だけをあちこちへ向けている。その視線の先には他の踊っている組、それも比較的上手な人たちだ。さらに、マスターとサーヴァントの繋がりからか架が魔力を使っているのが感じられた。つまり・・・

「あ、アンタ、まさか・・・」
「ああ、これも『模倣』だよ。はっきり言って、踊りなんてやったこともない。」

 相手の技や動きを真似する『模倣』。まさか戦い以外でこんな使い道があったとは・・・。器用なものね、と思うルイズだったが、でもと考える。
 架は自分の力は他人を真似たものであって自分自身のものじゃないと評価している。けれど、ルイズはそうは思わなかった。
 確かに、最初は真似ただけかもしれない。でも次からは架はその技を使いこなしている。今だってそうだ。見よう見まねの動きだった踊りは徐々に慣れていって、今ではちゃんとルイズの動きについていけている。それは紛れもない架自身の力なのだ。
 だから、やっぱりアンタは出来損ないなんかじゃない・・・!!
そう言おうとするのだが、面と向かって言うのは何故か恥ずかしくなってしまう。

「ふ、ふん!仕方ないわね、次からはちゃんとしなさい。レディをエスコートするのが紳士の務めなんだから!」

 結局出たのはつっけんどんな言葉だった。ただ、本人は気付いてないようだが、顔を真っ赤にしてそんなことを言われても説得力がまるでないのだが。
 架もそんなルイズに「はいはい。」と苦笑しながら返す。その笑みにルイズはまた顔に熱を帯びるのを感じ、「そ、それで!」と慌てて話題を逸らした。

「昼間あなたの過去について話したじゃない?施設から抜け出したって。」
「? ああ。」
「それで・・・あの後、どうなったの?」

 架が幼い頃妹を連れ施設を抜け出したところまでは聞いている。しかしそこからどうなったかはまだ聞いていなかった。

「そうだな、話したように俺たちは生き方を知らなかった。脱出してから一週間ほどたったころにはもう餓死寸前にまで追い込まれていた。意識を失いかけた茜のために必死に食糧を探したよ。でも、俺にも限界がきて倒れこんだんだ。」
「そ、それで、どうなったの?」
「まあ、知らない男に助けられた。」




 その人は自分たちが回復するまで片時も目を離さず看病してくれた。歩けるようになったある日、自らの事情を説明した俺は自分たちは追われている身だ。あ
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