暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外22話『乱入!』
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は本当に雷なのよ!?」
「えっと……うん」
「雷なのよっ!? ……私たちとはエネルギーのスケールが違うのよっ!? なんであんたそんなに危機感ない顔してんのよ!」

 ハントからすればまるで突然すぎる彼女の興奮だ。困ったように頬をかくハントのその危機感を覚えていないような態度が、また一層にナミの不安を煽る。詰め寄って、襟をも掴まんばかりのナミの勢いに、ハントは軽く笑みを浮かべて「……勝つさ」と小さく呟く。
「……え?」

 声の小さな言葉。
 根拠のない言葉。 

 にも関わらず、ナミの勢いが止まった。風船の抜けたような声を漏らし、ハントをじっと見つめたまま動きを止める。そんなナミの様子が少しだけ可笑しかったのか、ハントは笑顔の表情を更に弛めてからナミを抱きしめて言う。

「ぅぷ」 
「ナミは絶対に俺が守る。俺だってクロコダイルに負けた時みたいな、あんな恥ずかしい姿をまた晒す気はないさ。だから――」
「……」

 いきなりハントに抱き寄せられて、息を漏らしたナミの耳元でハントが強く言い放った。 

「――俺を信じてくれ……俺があいつをぶっ飛ばす」
「ぅ」

 ハントらしからぬ強い声。それに、ナミは息を呑む。
 体を離し、今度はナミの瞳をじっと見つめて言うハントの表情はやはり強く、それでナミは完全に降参した。

「……はぁ……もう!」

 一度、わざとらしいほどの大きなため息をついた。かと思えば今度は自分の髪をグシャグシャとかき乱してから、次いで彼女らしい少し意地の悪い笑顔を浮かべて「でも、じゃあ……それで?」と唐突に首を傾げて見せた。

「……え?」

 いきなりすぎて当然にナミの質問の意味ががわからないハントはそれを聞き返すのだが、ハントが自分の質問を理解していないことはナミにとっては当然のことで、だからこそどこか意地の悪い、それでいてあえて呆れた表情を浮かべてため息を一つ。

「あんたはいつまでここにいんの?」
「ぇ」

 ハントの動きが止まった。

 もちろん、ナミはわかっている。
 強さを目指すハントにとってエネルは倒さなければならない敵で、何よりも優先すべき事柄だ。一度不覚をとって気絶させられたとあれば尚のことだ。それは、子供のようにはしゃいで空島の冒険を楽しみにしていたハントが空島の黄金探索ではなくエネルを倒すことへと目的としていることからも簡単に察せられる。

 そのハントがわざわざここを動かずに、大して役にも立てないというのにウソップとサンジへの応急処置を手伝っているのは、単純にハントにとってエネルを倒すことよりも優先すべき理由がここにあるから。
 本来ならばウソップとサンジの介抱の手伝いはもちろん、ナミとの会話もそこそこに、とっくにエネルを追いかけて、もうここに
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