番外22話『乱入!』
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足元にも及ばない。いとも簡単に衝撃貝で威力を吸収されてしまった。続けざまにホトリだがコトリだかの右腕を眼前に掲げられたことでナミの表情に恐怖の色が宿る。
「くらえ」
だが、放たれたのは衝撃ではなくただの屁。
「何っ、くさい! ケホっ! タチ悪い! 何よこいつら!」
「成程……奴ら4つの種類の貝を」
決して軽くはない傷を負っている空の騎士、ガン・フォールもナミと同じくサンジとウソップを守ろうとしているらしく、槍を構えながらに呟いた。その言葉は、果して正解だった。
「ほほーう、そうだとも! 炎貝! 斬撃貝!」
「衝撃貝! 匂貝! 覚えたか、見極めは不可能だぞ!」
そう言いながら腕を組んでグルグルと回りだす。
「さぁ、どっちがホトリでどっちがコトリで」
「どっちが何だ!? 何が出るかはお楽しみ! びっくり貝イリュ−ジョン!」
まさに見分けのつかない二人だからこそ出来る戦法。
「種類はわかった……もうぐずぐずしておれぬっ!」
つい先ほど前までここにいた雷の男との会話によって不吉な予感を抱かされたガン・フォールがさっさとこの二人を片づけて雷の男を追うために攻撃を開始、それと同時にナミも「天候は台風!」クリマ・タクトの一節を飛ばして牽制。
「ほう、はずれ!」
「ほほぅ、はず〜れ!」
相変わらずの態度でナミの攻撃を避けたかと思えば、双子の片割れが右手をガン・フォールへと掲げていた。
「さぁ、俺の右手は何貝――」
薄ら笑いを浮かべ、余裕の態度すら見せつけていたその男を、フと一陣の影が覆っていた。
それはあまりにも突然で。
「魚人空手陸式――」
あまりにも速かった。
「――3千枚瓦正拳!」
「だぼふん!?」
森の中からいきなり飛び出できたハントがその拳を双子の片割れの顔面へと突き刺していた。まるで冗談のように空中へ吹き飛ばされていく姿に「コトリ!」と残りの片割れ――どうやらホトリ――が慌ててコトリの吹き飛ぶサマを見つめて、だが次の瞬間には怒りをその目に宿して突然の乱入者を睨み付ける。
「許さ……ん?」
だが、一瞬でもコトリのことを心配してしまった時点でもう勝敗は決していた。
「魚人空手陸式3千枚瓦回し蹴り!」
いつの間にか懐へと回り込んでいたハントがホトリの顔面を蹴り飛ばした。こちらもまた面白いような速度で森の中へと弾き飛ばされていく。元々コトリやホトリなど眼中にすらなかったのか、何ごともなかったかのような態度で「大丈夫か!?」とただ心配そうな表情で甲板にいるナミへと声をかける。
「……」
「……」
あまりにも一瞬のことでその展開についていけていなかったナミとガン・フォールの思考もすぐに復活。
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