第二章 終わらせし者と月の女神
第八話
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中に一人の山賊が遠くの方で、こちらに向かってくる馬車を見つけた。
遠目にもわかるくらいその馬車は、煌びやかな物で早速山賊の長へと報告しに行った。
「何!? よくやった。お前らここで待機だ! どうせなら今日の収穫をもっと増やすぞ! それにもうじき夜になる、油断した所を狙え」
その決定が、彼らの運命を崩壊へと決めた。
「ロキ! 気をつけろ!」
焚き火を囲んでいたソールは、何か不吉な感じがするとロキを自分の後方へと追いやり剣を構えさせた。
「一体、なにが!?」
「わからん。だが、近くに何かいる。しかも、割と多く気配がする」
二人は、細道に差し掛かるかどうかといった所で野宿をしていた。ロキの発案だ。
ソールは、それについて同調の意を唱えていた。というのもここ最近、この道では山賊による被害が出ているという話しを聞いていた。それによって、次の日に一気に通りきってしまおうと考えていたわけである。
が、しかし図に乗った山賊共はどうやら夜を見計らい山から降りてきたらしい。
「ガキと護衛一人か。チッ、しけてやがる。野郎共一気に殺せ」
山賊達は、気づかれたのを悟ったと同時に彼らを囲むように前へと飛び出した。
「ソール、どうやら僕のミスらしい」
「ふん、高々十人前後だ。楽な相手だ。それに雇い主に俺の力を見せるには良い機会だ!」
「なにをぐだぐだお喋りしてんだ! てめぇらとっとと……」
山賊の一人が喋り終える前に、ソールは一刀両断。首と体が切り離された。
「流石ですね。貴方を雇って正解でした。でも僕も負けてはいられません」
今の光景を見たロキは、怯むどころかどこか微笑むような穏やかな顔をしている。
そして、自身もあの泉の女神から託された剣を中段に構え、敵を睨みつける。
「てめぇら、少しはできるようだな。だがな一対一では負けても、二十対二なら話しが変わるだろ!」
木々の間からぞろぞろと賊が出てくる。
「うーん。ピンチという感じではないですね」
「あぁ、まだ許容範囲だ」
ソールは、剣を下段に構え賊に相対する。
賊は雄叫びを挙げながら、斧を振り落としたが、全く掠ることもなく、気づけば首を切り落とされ、正に流れ作業のようにソールとロキの周りにいた賊を全て殺した。
「バケモンか! くそっ!」
山賊の長である男も、目の前の光景がまるで信じられず愚痴をこぼす。
「本当に凄いですね」
ロキもつい感嘆の声を挙げてしまった。
ソールは、まだ足りないと更に剣を軽やかに捌き死体の数を増やす。
気づけば、片手で数えられる程度の山賊しか残っていなかった。
「伊達に闘技
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