第20話 She is Rana Linchen 4
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「アオイ・カズト……」
ラナは1人取り残されたまま、テーブルの上にある空になった食器を見つめていた。
その思考は、今走り去っていった優しい少年のことでいっぱいだった。
この国で初めて優しくしてくれた年下の少年。
自分の運命の相手も、あんな人だったらいいなと思いながら、ポツリと呟く。
「ところで、校長室はどこでありましょうか?」
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「時間、平気だよな……まだ大丈夫だよな……」
ビビりながら時間を確認し、俺は一度施設の外に出る。ここから行った方が早いのだ。初部屋入りとは言っても、きっと一緒に飯食ってそれで……………………
それで何するんだ??大人の階段登っちゃうのか??俺はシンデレラじゃないぞ??
ブンブンと頭を振りながら走っていると、正面にいた女子生徒に軽くぶつかってしまう。
「っと、スンマセン。」
ぺこりと軽く会釈をし、立ち去ろうとするが、その道を2人の女子生徒に阻まれた。どちらも見たことがない顔だ。
「あ、あの、俺少し急いでるんですけど……」
目の前の2人と、背後の1人に目を向け、退いてくれるように促すが一向に退く気配はない。
「あんただろ?接触禁止の女王のリミッターになったっていう一年は。」
なぜ知られているのかは置いておこう。
この場で重要なのは、この3人は敵だ。
「それが何か?」
なるべく声を低く、少し威圧する感覚で声を出す。これがイングリット先輩やサテライザー先輩なら身構えただろうが、こいつらはその威圧に気づいてすらいない。
「あたしらさぁ、これ以上サテライザーに強くなってもらうと困るわけ。」
「だからぁ、わかるっしょ?」
いや分からねえよ。内容を話せ。国語を勉強し直せ。よかったな、相手が俺みたいな敏感な奴で。そこらの馬鹿なら意味わからずに惚けているところだったぞ。
「要するに、あんたらは…俺の敵か。」
「は?あんた何言って……」
その言葉は続かなかった。顎の下から突き上げられた拳が遮ったのだ。
「ッ??テメェ??」
「へぇ、以外と頑丈だな。」
その拳はもちろん俺だ。トンっと下がりながら、拳を構える。
三人の女も、危機を感じ取ったのか、自らの武装を展開する。
俺もクラディウスを展開しようとした、その時だ。
「ち、ちょっと待ってください??」
慣れ親しんだ声が響いた。
声のした方に振り向くと、そこには数少ない友人である、ヒイラギさんがいた。
って、なんで??
「せ、生徒同士の死闘は禁止されています??だ、だから……」
ズドンッ??と、重い音と共にヒイラギさんが後方へと吹き飛ばされた。もちろん、女からの攻撃だ。
「ッ??ヒイラギさん
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