第2話Bパート『ウィル子は神になります!!』
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事態は収束したものの、いまだ住民避難は解除されておらず。
瓦礫の撤去がすすみ、展開していた国連・戦略自衛隊の部隊も順に撤収している。
第三新東京市ローカルテレビでは被害状況の速報など特別番組が放送されていたが、
日付がかわって、午前0時。ようやく通常番組に戻った。
もっとも、もとより地方の報道系番組なのだが。
しかしこの番組、多重放送で同時にまったく別内容が流されている。
一般視聴者にはその存在自体が知られていないが、デジタル放送受信用のICカードを専用のものに差し替えればどんなTVでも視聴可能だ。
この裏番組名は、“今日の聖魔杯”。
聖魔杯参加者、関係者に向けた番組である。
軽やかなジングルを響かせ、番組コールが流れる。
「はいっ!はじまりましたー!“今日の聖魔杯”、記念すべき第1回放送です。司会を務めますのはみんなのアイドル、カッコちゃんことVZですっ」
「…解説担当のリップルラップルなの。自称アイドルとは片腹痛いの。」
眼鏡にメイド服の美少女がノリよく言うと、隣に座る5、6歳の女の子がぼそりとしかし通る声でつづける。
「なになにー、ちょっと何言ってるのか、よくわかりませんねー」
「自覚なしの魔人には無関係な話なの。構わず司会を続けるといいの。」
「…。昨日深夜12時、ついに本大会がはじまりましたっ!これまでに数回臨時放送してきた“プレ・今日の聖魔杯(仮)”、からも“プレ・”と“(仮)”が取れ、司会者もワタシに決定しました。投票してくれた皆っ!ありがとー」
「出たがり共を蹴散らしたその上に我々は立っているの。死して屍拾う者なしなの」
「ではそろそろ、今日の状況を振り返ってみましょー」
「残り参加者は1505組なの。一日目の敗退者はたった7組なの。とんだ腰抜けどもなの」
「いえいえ今日は、突発の小大会も行われましたし、積極的に勝負できる状況ではなかったのでは?」
「小大会での失格者は0なの。ほとんどはシェルターで震えてたチキンでしかないの」
「いや、今回の小大会ルールだと失格は市外退避と死亡だけなんですが…。
ええその小大会なんですが、参加者は全体の約1割、308人!その全員が地上で無事生き抜き、賞金総額は一日でなんと3000万チケット以上っ!!」
「個々でみればペアで20万チケットに過ぎないの。
本当に腕に自信があるなら、センタービル名物地下ダンジョンに挑むといいの。
アイアンゴーレムの1匹も倒せば余裕でおつりがくるの。あと珍しいスライムがいたら捕獲するといいの。個人的に引き取るの」
脱線し始めた話題を引き戻そうとする眼鏡の美少女。
「えー、そんな生存優先と思われる中!なんと使徒撃退に成功した参加者がいま
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