名という誓約
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。どこまでも、この道を歩いてみせよう」
「本当ですか?どうにも信用できませんね……。なにせ、主様は土壇場でヘタレた人ですからね〜」
「ああー、それはあっしも同感かも」
徹の確固たる宣言に疑いの眼差しを隠そうともしないチェフェイ。それに申し訳なさそうにしながらも、同調するケライノー。
「ケライノー、お前もか!どいつもこいつも酷いな。お前らなー、もう少しサマナーである俺を信用しろよ!」
「え〜、あれだけの醜態を晒しておいてですか?」
「あのヘタレぷりじゃあ、そりゃあ無理ってもんですぜ、旦那」
なんというか信頼0の徹であった。まあ、無理もなかろう。彼が土壇場で躊躇ったのはまごうことなき事実であり、サマナーとして覚悟ができていなかったといえば、そのとおりであるのだから。
「ぐう、確かに醜態晒したのも、ヘタレてたのも事実だけど……あー、もう分かったよ!
俺の覚悟を示してやる!」
「覚悟ですか?」
「ああ、お前らに名前をやる!ちなみに拒否権はないからな!」
「名ですか?」
「チェフェイとかケライノーというのは、お前たちの悪魔としての種族名みたいなもので、お前達だけの個人名というわけじゃないだろ。だから、俺の仲魔であるお前達個人の名をやる!」
「正気ですか?そんなことをすれば…「分かってる」…」
「名前何なんてつけたら、余計に情が沸くというんだろ?ああ、そうだろうさ。だが、これはそれでも俺が合体をするという覚悟だ」
「旦那……」
「俺は仲魔を道具のように扱わない。苦楽を共にする友としよう。だが、必要なら合体も行う。なぜなら、それはサマナーにとって当然の行為であり、お前達悪魔もそれを理解し、覚悟した上で仲魔になっているのだからな。ゆえに今回のような俺の躊躇いや迷いは、単なる偽善でしかなく、むしろお前達の覚悟を汚すものであり、侮辱でしかない。
だから、これは俺の誓約だ。俺のサマナーとしての覚悟を形にしたものだと思ってくれ」
「「………」」
「ケライノー、お前は俺の初めての仲魔であり、友とも言える存在だ。だから、『友』たる『魔』で、魔を真におきかえて『友真』だ!」
「あっしを友といってくれるんですかい旦那……。へへ、『友真』悪くない響きでやすね。
そうだ!折角男らしい名前ももらったし、さっさと男性型悪魔にしてくだせえ!」
どうやら想像以上に今の状態が嫌だったらしく、勢い込んで、積極的に合体を望むケライノー。なんとも、現金な悪魔であった。
「アア、分かったよ(そんなに今の状態が嫌なのか。というか、あれだけ悩んだ俺の葛藤とか、感じた罪悪感とかは一体なんだったのか……)」
その剣幕に押され、乾いた声
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