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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
49.大地の静寂
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。
先ほどの女性の眷獣であろうか。違うにせよこの地震や先ほどの地形操作はあいつの仕業であろう。
大地を操れるタイプの厄介なやつだ。
昨夜戦った海原の眷獣は、水を操るタイプだった。この地区は川はあるが少し離れているため本来の力を発揮することはできなかった。しかし、大地を操るということは水の上以外では最強ということになる。
すると立っているのもやっとなほどに揺れが激しくなった。
目の前の建物が揺れに耐えきれずに倒壊をしだした。
「まじかよ……ッ!」
彩斗は迷わず走り出した。倒壊仕掛けている建物の下に制服姿の少女がいるのだ。しかも、崩れていることにまだ気づいていない。
「あぶねぇ───ッ!?」
彩斗の声にようやく倒壊しかけていることに気づいたが驚きで足が動かないのか動こうとしない。
───頼む、間に合ってくれ!
すると彩斗は不思議な感覚に襲われた。まるで崩れ落ちてくる建物の破片の位置が手に取るようにわかる。位置がわかっているなら避けるのなど容易いことだ。それらを回避しながら彼女の体を抱きしめて転がっていく。
三回転くらいしたところで彩斗たちは動きを止める。一応、回避することには成功したようだ。
「だ、大丈夫か……」
彩斗は下にいる少女へと声をかける。見た限りの外傷はかすり傷くらいのようだ。
「は、はい。ありがとうございます」
清楚な雰囲気のミディアムボブに前髪をサイドに流し、ヘアピンでまとめている。とても可愛らしい少女だ。多分、彩斗と同い歳くらいだと思われる。
「良かった……」
とりあえずの安堵感が彩斗を襲った。だが、あるものを目にした途端に彩斗の表情は少し曇る。
彼女の背中に金属製の銀色の長剣があるのが見える。その姿に彩斗は既視感を覚えた。
そうだ。昨日助けてくれた少女が持っていた武器に似ている。それに同じ制服を着ているのだ。ということは彼女と同じ獅子王機関ということであろう。
「あ、あの……助けてくれてありがとうございます。それで……そろそろ退いてもらえないでしょうか」
少女は頬を真っ赤に染めながら小さな声で呟いた。この状況だけを見た人には彩斗が彼女を押し倒したみたいに見えるであろう。
「あっ……ご、ごめんなさい」
彩斗は彼女の上から速攻で退いた。意識したことで彩斗の頬も彼女に負けないくらい真っ赤に染まっていた。
その瞬間だった。大気を劈くような爆発音が真上から響いた。
「な、なんだ……」
見上げるとマンションの五階くらいに何かが衝突したようだった。まるでトラックでも衝突したのではないかと疑うほどに壊されていた。
「うそ……だろ……」
激突した正体は
一角獣
(
ユニコーン
)
だ。海原の眷獣がいとも
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