1部分:第一章
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賃もいらないからな」
それもいいというのだった。
「旅は道連れだ。行こうか」
「済まないな。しかし」
「しかし?」
「その気前のいいところは気に入った」
今度はだ。何も企むところのない笑みで言った老人だった。
「あんた、いい男だな」
「褒めたって何も出ないぜ」
シグナルも屈託のない笑みで老人に返す。
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