六魔将軍編〜ニルヴァーナを死守せよ!〜
その魔法、ニルヴァーナ。
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つく。
「驚かしちゃってごめんね。でも気絶させただけだから。」
「その理由を聞きたいんだがな。」
「そうよ。納得できないわよ。確かにウェンディはすぐぐずるけど、だからってこんなやり方…」
シャルルも言う。
「仕方なかったんだ。本当の事を言うと、僕はニルヴァーナという魔法を知ってる。」
どういう事だ!?みんな知らないと思ってたが。
「ただ、その性質上誰にも言えなかった。この魔法は意識してしまうと危険なんだ。だから一夜さんも、イヴ君もレン君も知らない。」
「どういうこと?」
ルーシィが問いかける。
「これはとても恐ろしい魔法なんだ。"光"と"闇"を入れ替える、それがニルヴァーナだ。」
「光と」
「闇を」
「入れ替える!?」
ハッピー、シャルル、ルーシィがおどろく。ていうか、俺も驚いてる。
「しかしそれは最終段階。まず封印が解かれると黒い光が上がる。まさにあれだ。」
と、森の奥の光の柱に目を向ける。
「黒い光はまず、光と闇の狭間にいるものを逆にしてしまう。強烈な負の感情を持った光の者は闇に落ちてしまうんだ。」
「それで、ウェンディにあんな事を?」
「自責の念は負の感情にカテゴライズされるからね。あのままじゃウェンディちゃんは闇に落ちていたかもしれない。」
なるほどな。それを防いでくれたってわけか。
「そうか、すまなかったな、取り乱しちまって。ごめん。」
「いいんだ。急いでいたとはいえ乱暴にはしてしまったからね。」
「ちょっと待って!"怒り"は大丈夫なの!?ナツもヤバいんじゃ…」
「何とも言えない。その怒りが誰かのための怒りなら負の感情とは言えないからね。」
「どうしよう……意味がわからない。」
ハッピーは頭を抱えて唸っていた。
「あんたバカでしょ。」
ストレートだなあ、シャルルさんよ。
「つまりニルヴァーナの封印が解かれた時、善と悪とで心が動いてる奴は性格が変わるってこったな。」
と説明してやる。
「だから僕は黙っていたんだ。物事の善悪を考え始めると思いもよらない負の感情を生んでしまう。」
ヒビキが説明を続ける。
「あの人さえいなければ…辛い思いは誰のせい?なんで自分ばかり…それら全てがニルヴァーナによりジャッジされてしまうんだ。」
誰が考えて作ったのか知らねえが、おっそろしい魔法だな、おい。
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