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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第四話
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、それで充分だよ」
車を運転していなければきっと、彼の顔を笑顔で見つめただろう。
そうして頭を撫でていただろう。
何もできないもどかしさを抱えながらフェイトはバックミラーを覗き込むと、そこに写ったものにフェイトは頬を緩ませる。
朝我の表情が緩み、安心しきった様子で窓の外に広がる景色を眺めていたのだ。
ここまでずっと、彼の表情はこわばっていた。
本人は必死に隠していただろう。
だが、どうしてかフェイトはそれが強がりなのを察することができた。
まるで長い時間、一緒に過ごしていた、なのはとはやて達といるかのような……そんな、言動以外の何かで通じ合っているような――――。
どうしてそう思うのだろうか。
フェイトはそんな疑問を抱えつつも、彼と和解出来た喜びを抱えながら、アクセルをいつもより強めに踏んだ――――。
*****
ホテル・アグスタに到着した朝我とフェイトは駐車場を出て建物のロビーにて既に待機していたシグナムとヴィータの二名と合流した。
「スターズ5、朝我 零。
ただ今到着いたしました」
「ああ、予定より早かったな」
真剣そうな表情を崩さず、シグナムは朝我を見つめると、その隣でフェイトは申し訳なさそうに苦笑する。
実はアクセルを少し踏みすぎて制限速度ギリギリになったと言う、初心者にありがちな事を起こしていた。
そんなことをシグナムとヴィータに告げるのは恥ずかしく、笑って誤魔化すしかなかったのだ。
「まぁ早く到着して悪ぃことはねぇ。
早速でわりぃけど、朝我はアタシらと建物内の見回りに行くぞ」
「了解。
……それじゃフェイト、また明日」
「うん、またね」
そう言ってフェイトは笑みで手を振り、再び駐車場に向かって歩きだした。
その背が消えるまで、朝我は見つめる。
「“仕事中”だからな?」
朝我の右からヴィータが意地悪そうな笑みを浮かべて肘で小突く。
「プライベートにまで干渉するつもりはないが、仕事と割り切ってもらわねば任務に支障をきたす」
更に左からシグナムが僅かに微笑み、腕を組みながら何かに納得したように首を縦に何度も振った。
「分かってるよ。
さて、行きますか」
シグナムとヴィータは、朝我をからかったつもりでいた。
フェイトに気があるのでは?
そんなことを遠まわしに伝えて、動揺したところを見ようと言う魂胆だった。
それは親密な関係であるがゆえの当たり前の悪戯であり、そして朝我が何かしらの反応があるものだと思って疑わなかった。
――――しかし朝我は言葉を言葉通りに受け取った。
仕事とプライベートを分けろ、今
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