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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第四話
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タロッサ・ハラオウンだった。

 少し前のこと、夜の訓練が終わった所から少しだけ距離を置いていた。

 寝言を聴かれたこと、そしてそれを追求されるのが怖くて、避けたのだ。

 しかし神様というのは意地悪で、そうして距離を置きたい人と必ず接近させる。

 とはいえ、仕事は仕事だと切り分けて朝我はフェイトの隣の席に座ると、フェイトは慣れた手つきで運転を始めた。

 高速道路に入った所で、フェイトは今回の任務内容を説明しだす。

「今回の任務場所は骨董点などのオークション会場/ホテル・アグスタ」

 予想通り、と言う意味も含めて朝我は頷く。

「レリックを目的に動くガジェット・ドローン。
だけど、他のロストロギアにも反応して襲撃してくる可能性があるから、今回は機動六課が警護任務を担当することになったの」

「シグナムとヴィータが先に行ってるって言ったけど、今のところは報告なしか?」

 すでに経験した事象ではあるが、どこで変化があるか分からない。

 念のため、と言う意味を含めて朝我は聞いておくことにした。

「うん、今のところは問題ないって。
オークションは明日からだから、先に宿泊するために訪れているBIP客とかがいるらしいけど、それを狙った人もいないみたいだし、今のところは平和だって」

「……そうか」

 現状、変化なしと朝我は納得した。

 唯一の変化があるとすれば、オークション前日に朝我とフェイトが会場へ向かうと言うこと。

 しかしその行動が大きな変化を起こすとは思えなかった朝我は、現状は変化なしと判断するに至った。

「…………あの、さ」

「なんだ?」
 
 数秒の間を置いて、フェイトは意を決したように話しかけた。

「この前のこと、なんだけどさ……」

 この前、と曖昧な問いだが朝我はすぐに、なんのことかを察した。

 だから疑問には思わず、無言で首を縦に振った。

「朝我の気に障ったなんだよね?」

「いや、そんなこと……」

 気に障ったわけではない。

 しかし、その先は言えないもどかしさに、朝我は下唇をギュッと噛み締める。

 じんわりと口内に広がる血の風味が、様々な記憶を蘇らせながら。

「朝我のこと、色々と聞きたいけど……今は、答えられないんだよね?」

「……ごめん」

「そう……」

 頷いたり、肯定するのではなく、謝罪した。

 どんな想いで謝罪をしたのか、フェイトには計り知ることができなかった。

 それでも彼がやましい事や、自分たちの“何か”を脅かすような人ではないと信じたフェイトは、それで納得した。

「なら、いつかきっと……話してくれる?」

「……ああ、約束する」

「うん
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