暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第460話】
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
が一変し、観念したかのように隠していた写真を俺に見せた。

 写真の内容は俺だった――それも、わりかし爽やかな笑顔の俺だ、一体いつ撮られた物だろうか?

 そして、そんな写真には綺麗に俺の額を貫いた後が残っている。


「……見事に額を貫いた後が見えるな」

「ぅぅ……」


 身体の小さなラウラだが、何だか異様に小さく見えた気がした。


「ラウラ」


 ラウラの名前を呼ぶ、すると明らかに狼狽え始めるラウラが――。


「……っ、わ、わざとではないのだ! ひ、ヒルトが嫌いだからとかではなく、そ、その……! おろおろ……」


 ラウラの一挙一動全てが可愛く見える、意地悪するつもりもないのだが、何となく意地悪したくなる様な――そんな悪戯心が擽られた。


「ふーん、嫌いじゃないのに写真の俺の額に傷が?」

「はぅ……ぉろぉろ、わ、わざとではなぃ、のだ……」

「成る程……じゃあ何で額に傷が?」

「ぅぅ……」


 意気消沈するラウラ、声に覇気がなくなり、わりと本気で泣きそうな気がしたので此処等で悪戯心を抑えた。


「ふふっ、まあ写真がダメになったなら今度は二人で撮れば良いだろ? プリクラとかもあるんだし、な?」


 言いながら頭を軽く撫でる、恐る恐る上目遣いで見上げたラウラは――。


「ぉ、怒って……なぃ、の……か?」

「ん? 最初から怒ってないさ、これがな。 ――ちょっとした悪戯心って奴だな」


 ニッと俺は笑う――安心したように一息吐くラウラ。


「……我が嫁は時々意地悪、だ……」


 ジトーっと見つめてくるラウラ、そんなラウラを黙らせるように額に唇を落とす。


「うぅ……。 ず、ズルい、ぞ。 こ、こうやって黙らせるのは……」

「ははっ。 ……まあ何にしても、写真ダメにしたぐらいで気にするなよ? 今度二人で撮れば良いんだしな」

「う、うむ。 ……や、約束、だからな?」


 ラウラの柔らかな笑みに、ドキッとさせられてしまう。

 頬を小さく指で掻きながら、他の子には黙ってようと思う事にした。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ