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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第460話】
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此方から少し様子が見える――僅かながらに涙目を浮かべ、おろおろしはじめる。


「て、テープ……テープで留めれば、まだ……」


 落ち着かせようと呼吸するラウラだが、落ち着きを取り戻せなかったのが誰の目にも明らかだった。

 ロッカーを漁るラウラ――中からまず出てきたのは軍用携帯食、レーションと呼ばれるものだ。

 ――そういえば、まだレーションは食べたことがないなと思うと自然とお腹が空いてくる。

 そして次に出てきたのは、予備のISスーツ――普段ラウラが着てる灰色の奴だ、大体の子は予備のスーツを何着かは購入している。

 その後、ロッカーから現れるのは様々な古今東西のナイフだ――ククリナイフやコンバットナイフ、サバイバルナイフ、果ては十徳ナイフまで出てくる。

 幾ら漁ってもテープは出てこず、ロッカーから顔を出したラウラは再度おおきな声で叫んだ。


「衛生兵! 衛生兵〜〜〜〜〜〜ッ!!」


 取り乱し様が半端じゃなく、当初のラウラとのギャップに凄まじさを感じさせる一面だった。

 ――取り敢えず、今来た風に装って何があったのかを訊いてみるかな。

 思い立ったが吉日、俺は少しだけ後退りしてからロッカールームのドアを開ける開閉音を響かせた。


「……っ! だ、誰だ!?」

「おっす、何か衛生兵って声が聞こえてきたから気になってな」

「……ヒルト!? ――ぁ!」


 慌てた様子で持っていた写真を後ろへと隠したラウラ、涙目を浮かべてるのは変わらないが、それに気づかないふりをして俺は――。


「……えらい散らかり様だな、しかもナイフばかり……」

「む……ぅぅ……」


 頬を朱色に染めるラウラ――取り敢えず抜き身のナイフ以外を回収し、それを近くの箱に納めていく。


「……ラウラ」

「な、なんだ?」

「後ろに何を隠したんだ?」

「うぅ……」


 俺の指摘に、ぎくりといった表情を見せたラウラ――一通りナイフを回収し、予備のスーツ、そしてコンバットレーションを回収してラウラの座るベンチへと置いた。


「ほら、これで片付けは終わりだな」

「ぅ、ぅむ。 ……さ、流石は、我が嫁、だ。 え、衛生兵と叫んだ甲斐があるというものだ、うむ」


 若干歯切れが悪い言葉に、どうしても後ろに隠してる写真を見せる気はないようだ。


「嫁はわかったから、取り敢えず……後ろに隠してるやつ、見せてくれないか?」

「……!! こ、これだけはダメだ! い、幾ら嫁とはいぇ……」

「……ふーん」


 声質を明らかに落として返事をし、若干不機嫌そうな表情を見せてみた――もちろん、わざとだ。

 それを見たラウラの表情
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