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バロンダンス
2部分:第二章
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第二章

「安心できないから」
「そうだね。ただ」
「ただ?」
「僕だって心配だよ」
 父親としてだ。それは気になるのだった。
 それは隠さない。どうしてもだ。それで妻に話すのだった。
「けれど。治ってきてるから」
「安心するべきなのね」
「そうだよ、むしろそうして心配する方がね」
「駄目なのね」
「スカハトも悲しむよ」
「あの子も」
「だから今は。精一杯踊ろう」
 夫の言葉を聞いてだ。妻も述べた。
「踊りに専念するのね」
「そうしよう。それが一番いいよ」
「そうなのね」
「母親が心配していたら」
 ヤティはそのことも話す。
「子供だって困るよね」
「そうね。言われてみれば」
「だから。今はね」
「踊りに専念するのね」
「そうしよう。いいね」
「ええ、わかったわ」
 プラムはヤティのその言葉に頷いた。そうしてだった。
 今はバロンダンスに専念することにした。ヤティがバロンになりプラムがランダになりだ。いつも通り二人一組になって踊るのだった。
 その中でだ。プラムはだ。踊っているうちに。
 忘我の域に達した。すると。
 気付いたその時には空の上にいた。そこから下を見下ろしていた。
 自分自身が踊っていた。ヤティもだ。それが確かに見える。
 それを見てだ。彼女はまずはこう考えた。
「死んだ訳じゃないわね」
「死んでないよ」
 ここでヤティの話が聞こえた。
「それはないからね」
「えっ、ヤティ!?」
「うん、どうやら僕達はね」
「私達は?」
「魂が抜け出て上にいるみたいなんだ」
 そうだというのである。
「トランスかな。それになってね」
「それでなのね」
「そうよ。それでね」
「それで?」
「今のダンスが行われている間にね」
 その間にだとだ。ヤティはプラムに話す。
「ちょっとだけ。スカハトのところに行かないかな」
「あの子のところになのね」
「うん、どうかな」
 こう提案するヤティだった。
「それはどうかな」
「その時間はあるかしら」
「あると思うよ。どうやらね」
「どうやら?」
「ダンスが終わるまでに。身体に戻ればいいから」
 見ればヤティのその身体はふわふわとしている。そして自分の身体も見ればだ。それだけで生身ではないことはわかるのだった。
 魂だ。明らかにそうだった。それを今認識したのだ。
 そのうえでだ。プラムはだ。ヤティの話を聞くのだった。
「じゃあ今から?」
「そう、今からね」
「ダンスが終わるまでに戻るってことで」
「今からスカハトを見に行こう」
「わかったわ」
 あらためて夫の言葉に頷く妻だった。
「それじゃあね」
「行こう、あの子のところね」
「そうしましょう」
 こうしてだ。プラムはヤティと共にだ。息子
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