出会い
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「お目覚めかね、カペル・グラウス中尉?」
声の中に死線を生き抜いた迫力を感じさせる男。この男こそが、今考えていたその男。
「ああ、お目覚めさ、カーディアス・ビスト。俺と番外個体を助けてくれたこと、感謝する」
その言葉に後からカペルは付け足した。
「だが………噂通りのあなたなら、何か裏があるだろう?」
「お見通しか」
微笑してこちらを見たカーディアスの顔の瞳は、確信を帯びているのがわかった。
「私の財団のテストパイロットが2週間ほど前に、ネオ・ジオンに撃墜され死んだ。その代わりがいる」
「その代わりになれと?」
「君ほど感がいいと話しやすくて助かる」
だがそれは俺たちにとって希望の光だった。ジオンを亡命して中尉の座も無ければ、金も何も無い。しかしここにはそれがある。働けばその対価はしっかりやるという申し込みに、拒否という選択肢があるだろうか?
「だが、テストパイロット?テスト機なんて物があなたたちにあるのか?」
「あるさ。私たちもある計画のために動いている」
「計画?」
問いただすとカーディアスは意外なほどあっさりと答えた。
「UC暦100年の節目に向けての計画…………通称UC計画。それに使われるモビルスーツ、RX?0ユニコーンガンダムの開発だ」
「おいおい、あんたもう逃がさない気だな。しかもガンダムたぁ…………」
「サイコフレーム」
突然発せられた意表をつくカーディアスの言葉に、思わず息が詰まった。
「それを全てムーバブルフレームに使う」
「へぇ。だがそんなにサイコフレームがあんたらにはあるのか?」
「君が持っていたタブレットだ。それを解析して勝手に使わせてもらった。そこからアナハイムに発注して作っている。そして今試作機を造っている。君の持ってきた機体をベースにな。もう完成の一歩手前だ」
「あのじゃじゃ馬をか!?…………って、あれ?完成の一歩手前?てーことは俺は一体いつまで寝てたんだ!?」
「二ヶ月だな」
膨大な月日を寝ることに費やしていたことが信じられなくて、カペルは早速立ち上がった。
「そのモビルスーツを見せてくれ。追加装備とか、俺が乗る機体なら癖とかもできるだけ把握しておきたい」
「体の方は?」
「大丈夫だ。あんたたちのおかげでな」
カーディアスは再び微笑し、番外個体の方を向いた。
「礼なら彼女に言いたまえ。彼女はこの2ヶ月間、ずっと君のそばを離れなかったのだ」
意外なことを聞いたカペルは、番外個体を見た。
寝顔は安らかで、苦しそうな表情はどこにもない。もう一度生きている実感をしていると、カーディアスはぼそりと呟いた。
「大切にしろ。失う時の痛みは
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