第4話 宇宙のデブリ
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サンジョウゴロウの依頼を受けた次の日、日本のとある高台の、真新しいアパートの前にヒサメは立っていた、
「どうしてこうなるのか………」
ゲンナリとした表情でヒサメはボヤく。その手にはサンジョウ邸を訪れた時にはなかったもう一つのトランクが引かれている。
「まさか学校の編入手続きまで手配しているとは………」
新しく作られた生徒手帳と新築の二階建てアパートを交互に眺める。アパートは築3ヶ月という超新しい建物で、小綺麗な印象を与えられた。マンションと大した差は無いのかもしれない。
若い女性の大家さんに挨拶がてら自室である202号室の鍵を貰う。柔らかい勾配の階段を上がって部屋の前までたどり着く。
「アパートのイメージと全然違う。凄いな………!」
清潔感あふれる1LDKにはクローゼット、冷蔵庫、洗濯機、ガンプラ作業台と全て完備されていた。しかも全て新品。プラ板すら置いてあったりする。
「ガンプラ学園並みの設備だ………」
唖然としながら荷物を取り出していく。最初に専用のケースに入れていたガンプラを取り出して丁寧に棚の上に置き、その後で着替えや日常必需品を取り出した。窓を開けて簡易的な掃除を終わらせたころには、西の空が夕焼けに染まっていた。
「さっさとお隣さんに挨拶してガンプラバトルでもしに行くか………」
ガンプラ専用のトランクにしまっていたお菓子の箱、『ハロクッキー』を取り出してまだ整頓できていない本棚を放置して部屋を出る。
「えーと、203号室はコヒメ・アズサさんか。………スイマセーン」
インターホンを押してしばし待つ。すると10秒ほどしてから扉が開いた。
「はい。どちら様ですか?」
「………?? い、いや、すまん??」
出てきたのは俺と同い年くらいと思われる白髪の少女だ。長い髪に整った顔立ちと眼福な美少女だ。
ただし全裸。
素っ裸で部屋の扉を開けたのだ??!
「? なにか慌てるような事でも?」
とても冷静そうな表情で首を傾げ、その拍子に上半身のふくよかな部分が揺れる。青少年にとっては目に毒だ。
「いやっ、服を着てくれ! 今すぐ??」
幸いこのアパートが高台を独り占めしているため、ここに住んでいる人以外に見られる心配は無さそうだが、そんな状態の少女と冷静に話せる自信はないので顔を背ける。
「ちょっと待ってて」
首を傾げた少女はそう言って扉を閉め、30秒ほどしてから戻ってきた。
「………………」
裸ワイシャツで。もはやツッコミを入れる気力を失ったヒサメは項垂れる。
「それで、あなたはどなた?」
先ほどの肌色の所為で忘れていたが、御挨拶の途中だった。
「こほん。ーーー今度隣に越して来たマイギリ・ヒサ
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