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リリなのinボクらの太陽サーガ
SEED編 旅立ち
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はいないため、アリスが成仏したのだと彼女は勝手に思っていた。
実際は転生して“太陽の使者の代弁者”に生まれ変わったのだが……わざわざ教えずとも問題ないか。

「それよりも最高傑作が出来たんだよ! お守りとしては過剰過ぎる力を込めたけど、これさえあればもしテロリストに襲われたり、大爆発に巻き込まれたりしても、なんやかんやでちゃんと助かるぐらいの幸運が発動するよ!」

「それもう幸運グッズどころじゃない代物だな。そこらの防具をはるかに上回る性能のアクセサリーだ」

「一個作るのに3か月もかかったけどね……でも、これなら絶対に君の悪運も防いでくれるよ。……多分」

「自信がないのか?」

「そりゃあ前回、悪運だけでお守りを爆散されたからね……。私の巫女としての神力を全身全霊で、かつ純度高めで込めて、やっと対等になるぐらいだと思うんだ。これ以上のお守りは私も作れないから……いざ、勝負!」

そう言って彼女がまるでラブレターを渡すように純白のお守りを差し出してきた。妙な対決だが俺もそれなりに覚悟を決めた面持ちで、お守りに手を伸ばす。ゆっくりと俺の指がお守りに触れ、掴み、持ち上げる。俺に触れた一瞬だけお守りは閃光を発したものの、爆散はしなかった。そして最初の時のように焼け焦げるような雰囲気も無かった。

つまり……お守りの勝利、巫女の執念と意地と努力の勝利だ。

「や……やったぁー!!」

「本当によく頑張ったものだ、素直に称賛する」

「ありがとう! ひたすらこのお守りを作るためだけに修業してきた甲斐があったよ!」

これのためだけ……か。どこまでも純粋に挑んだのだな、彼女は。

「ところでこのお守り、いくら払えば良いのだ?」

「え? あ〜……そっちは考えてなかった。とりあえず普通のお守りと同じくらいでいいよ。私も良い修業になったし」

「いや……流石にそこまで努力して作り上げた物を、大量生産品と一緒に扱うのは俺の気が済まない。少なくとも20倍は払わせてくれ」

「え!? い、いやいやいや!? 私は別にお金のためにやったんじゃないから、そんな……」

「謙遜は時に美徳だが、やり過ぎると逆に相手に失礼だ。大人しく受け取っておけ。これは感謝の気持ちなのだから、拒否するのはその気持ちを無視する事になるのだぞ」

「わ……わかった、そこまで言ってくれるんならありがたく受け取っておくよ。それと……あなたの未来に幸があらんことを」

初めて会った頃と比べて桁違いにレベルが上がった巫女の祝福の言葉は、それなりの重さがあるように感じられた。

……さて、行く前に彼と連絡をしておかないとな。通信機は……と。

「俺だ……用事でこの世界を離れる。例の件、忘れるなよ? ……いざという時は“彼女達”を任せるぞ
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