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剣聖龍使いの神皇帝
第2巻
イギリス本部長と亜鐘学園理事長との密談
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んだよ。もちろん、イギリスで卒業した後は幹部にすると約束するよ。どうかな?希少なダークセイヴァーを引き抜かれたら日本支部としては困るだろうけど、ウルシバラ家としては悪くない話だと思うよね?』

エドワードの話を聞いている内に、今度は笑みを隠す事を努力しなければならない状態となった。先程感じていた失望が吹き飛んだかのように、失望というより大きすぎる器を管理するのが無理な事だったが身内の者なら管理する事が可能。それくらい理事長にとっては魅力的なお願いである。

『ええ、悪くありませんな』

素早く計算して即答する凡人理事長。漆原家は既に日本支部と強いパイプを築いている。この上、イギリス本部でも静乃が地位を確立出来れば、白騎士機関内における漆原家の権勢は揺るぎない物となるだろうが、それを邪魔するかのようにする蒼い翼をどうするかなどは後にした。諸葉をランクSに仕立てようとサー・エドワードを招いたが、目論みは壊れてしまったが、思いも寄らぬ功を奏してくれた。

『タダノリならOKしてくれると思ってたよ!じゃあ後はシズノ本人の気持ちだね』

『ああ、そんなものは気に掛ける必要はありませんよ。必ずハイと答えますから、しばしお待ち下さい』

理事長は極平然と断言してから、一礼しその場から立ち去る。全ての会話を聞かせてもらったが、動くのはまだかもしれない。静乃奪還作戦をやる上でやりたい事もあるからだ。力強く屋敷の中へ向かう理事長に対して、残されたエドワードとアンジェラ。理事長の考えは教育者としてではなく、他人を駒扱いとして利用する政治屋特有の笑みを浮かべていた。

『案外、簡単に転びましたね』

理事長が去った後に脇に控えたアンジェラが言った。エドワードは、種明かしをしたみたいだけど。

『タダノリはね、どんな手段を使ってでも自分の野心を満たす事が出来るという点で、有能さと行動力を持つ強い男なんだよ。でもだからこそ、最初から欲望で誘導してやるとコントロールしやすい一面があるのさ』

『なるほど、流石です』

白騎士の持つ意外な策士振りに、部下はうっとりしていた。

『やっぱり、ちょっと小突くフリをしただけじゃ、どうにも消化不良感が否めないからね。出来ればだけど、ランクSSSの力を持つ三人目の神皇帝であるモロハを白騎士機関に取り入れたいから、全力で戦ってみたいね』

そのためには、神皇帝の予想出来ないほどの頭脳を持つ者と、この国で暴れてはならないというエドワードの制約が邪魔をする。

『でも、ボクが思った通りに話が転んで、タダノリとモロハがぶつかり合えば・・・・ねえ?』

エドワードは紅茶の香りを堪能してから、笑みを浮かべた。傍にいるアンジェラはうっとりと眺める。

『しかし、我が君がそこまでハイムラに執着されていた
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