1部
38話
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「はー正直戦闘向けじゃないあの術で倒すなんて意外ね。物は使いようって言うけど、私もまだまだってことか」
「うむ、ああも位置関係、相手の精神状態、そして結果に至る道筋への思考といった複数の物事を並行して思考できるというのは中々のものだな」
「同時に違う物事をこなすとうのは傀儡師でも基本なんだが一番難しいことじゃん。だから、傀儡師の腕は扱える傀儡の数で決まるって言われてるじゃん」
三者三様に捉え方は違うものの、シカマルの能力に対して惜しみない賛辞を送った。それにしても、彼自身は戦闘タイプという訳ではなく、指揮官や軍師といった立場に置いてその才を発揮するタイプだな。
実際、あの影を操る術は直接攻撃向きではなく支援用、仮に攻撃用に扱うのであれば事前に何手か仕込みをするようなタイプの術だ。そういう意味では術者と術の相性もいいな。
「けど、ヒジリとしては次の試合の方が気になるんじゃないかな?」
「ん?どういう事……ああ、成る程」
テンテンに言われて掲示板を確認すると、そこには
うずまき ナルト、犬塚 キバ
の名前があった。
「ヒジリって、ナルト君の事もサスケ君と同じくらい気にかけてたよね?」
「ああ」
「サスケ?……ああ、あいつか。ってことはあのナルトってのも中々の奴ってことか」
カンクロウのその言葉にテンテンは少し悩むように俯き、しばらくしてから首を傾げた。
「うーん、アカデミーとかで聞いた噂だと劣等生って話だったし、そこまで際立った噂も聞いたことがないね。
ヒジリがサスケ君と同じように目をかけてるし、あのヒナタちゃんと引っ付けようとしてるんだから凄いんだろうけど、私にはちょっと分からないかな。
いい機会だから教えてよ、ヒジリ。一体、ナルト君のどういう所が凄いのかをさ」
彼女は私にそう言って話を振った。確かにナルトの才はサスケと違い、センスのような魅せるようなものではない。だが、忍として……いや、人として彼の才は優れている。
「そうだな。色々と説明しても構わないのだが、実際に試合を見てからの方が分かりやすいだろう。
説明はその後でいいか?」
「あ、うん」
「あ、ああ」
テンテンとカンクロウはそう返事をしてから、注意深くナルトの動きを観察し始めた。
そんな我々やナルトの事をよく知るカカシ班のメンバーとは逆に、周囲の視線は酷く冷めたものだった。
ナルトをアカデミーの成績でしか知らず、あれの強みを知らないのであれば当然とも言える反応だ。
加えて、相手はあの犬塚一族だ。忍犬に関してとことんまで特化した犬塚一族、そこの忍犬は並の忍者と比較しても遜色の無い力を持つという。
加えて、人間の方も忍犬とのコンビネーションに特化した戦闘スタイルということもあり、その連携は非常に厄介といえる。
調和する二つは
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