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ルドガーinD×D (改)
四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
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為を考えればそれが最も正しい選択だ。しかし、ルドガーという人間は―――本当の意味で世界の為に個を犠牲にするような覚悟が持てなかった。


『ミラから離れろ!』


ミュゼとミラの間に槍を突き入れ、ミュゼをミラから離れさすルドガー。邪魔をされたミュゼは怒り狂いルドガーに怒涛の攻撃をしかけてくる。その攻撃をなんとか槍でさばいていたルドガーだったがついに耐え切れなくなり槍を吹き飛ばされてしまう。そしてミュゼがルドガーに止めを刺そうとした時―――


『―――え?』


ミュゼの背中からルドガーの槍が突き抜け血が溢れ出て来た。ミュゼは茫然とした顔で気の抜けた声を出す事しか出来ない。勿論、ルドガーが刺したわけではない。それが分かっているからこそミュゼはそんな声を上げたのである。


『姉さんが……悪いのよ』


ミュゼの後ろにはルドガーの槍を持ち、ミュゼを貫くミラが居た。顔を伏せながらそう言うミラの姿に小猫はもしかしたら自分もああなっていたのかもしれないと思い、悲しそうに顔を伏せる。


『お……前……なんかに……』

『お前じゃない! ミラよっ!』

『ミラアアアッ!』


背後からかけられた声で誰が自分を刺したのかを理解したミュゼが振り返り、その名を絶叫する。


『うおおおっ!』


落ちた槍を拾い直し、ルドガーはミュゼに一気に詰め寄り、ミュゼに―――世界に止めを刺す。時歪の因子(タイムファクター)を失ったミュゼは最後に妹にむけて断末魔を残して消滅し、残った物はルドガーの槍の先にある時歪の因子(タイムファクター)だけとなった。


「世界を壊すって……こんなに辛いことなんですね」


消え去った姉を追い求めているのか、はたまた、誰かに握って欲しくてなのかは分からないが茫然としながらも手を伸ばすミラを見てギャスパーがポツリと零す。しかし、彼はまだ知らなかった。この程度の悲劇など世界を壊す上では序の口だという事を。

ルドガーは茫然としながらも手を伸ばすミラを見て、救えないと、今から自分が壊すのだと理解していながらもその手を掴む様に手を伸ばしてしまう。それが贖罪なのか、自分の中での罪悪感を減らす為なのかは、彼にも分からなかった。しかし、そんな彼の手をミラは掴もうと手を近づける。その時―――


『ミラ!』


駆け寄って来たエルが彼女に抱き着く。それとほぼ同時に世界が砕け散り、ルドガーは正史世界の二・アケリア霊山に飛ばされていた。骸殻を解いたルドガーの片腕にはカナンの道標らしき物が浮いていた。しかし、世界とミラを壊して得たという事実にルドガーの顔は浮かない物であった。そんなルドガーの様子に気を使ってかレイア達も声を掛けかねている。そんな時だった。


『っ…なん
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