四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
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ガーを関わらせたくなかった事に関わらせてしまった後悔がありありと出ていた。その後、ニ・アケリア霊山の頂上に着いたルドガー達が見たものは、祈りを捧げる様に何かに語り掛けているミュゼだった。
私が気を引くとミラが話しかけるが、ミュゼの度重なる拒絶の言葉に感情が爆発したミラ自身が火の精霊術でミュゼの周囲を炎で包み込む。そのことに動揺するミュゼに対してチャンスだと思ったミラがルドガーに合図をだし、ルドガー達は一気にミュゼの元に駆け寄る。しかし、ミュゼは片手でいとも簡単に炎を打ち消してしまう。その事に動揺したルドガー達は足を止めてしまう。
『お前……私を裏切ったなっ!』
次の瞬間、ミュゼは見慣れた時歪の因子が憑依した黒く禍々しい姿へと変わり果てる。その姿に思わず、ミラは化け物とミュゼに対して言い放ってしまう。それが気に入らなかったのかミュゼは精霊術をミラに向けて放つ。姉のあまりの変わりように動揺して動けないミラを心配してエルまでもがミラの元に行ってしまう。
『まずい! ―――ぐっ!?』
エルを助けるためにユリウスはすぐに動こうとするがどういうわけか左腕に痛みを覚えてその手を抑えてその場でうずくまってしまう。そんな動けないユリウスの代わりにルドガーが骸殻を纏って飛び出し、エルとミラの前に立ち、間一髪のところで自身の槍でミュゼの攻撃を防ぐ。
『エル、ミラ、無事か?』
『エルは大丈夫……』
『………無事よ』
二人の無事を確認してホッとして二人に微笑みかけるルドガーだったが直ぐに意識をミュゼに集中させて戦闘を開始する。その後、ルドガー達は苦労しながらも戦いミュゼを地面に伏せさせるほど消耗させることに成功する。
『もう動かないで!』
ミラは姉にそう言葉を投げかける。自分自身が姉を傷つけたのではあるがそれは他ならぬ姉を想っての行動だ。傷ついた姉なら昔のように分かり合うことが出来るかもしれないとそう僅かに希望を抱くミラだったが―――
『よくも……人間の分際で、よくもっ! 死ね、死ね、死ね、死ね!』
その気持ちは伝わらずにミュゼは死ねと連呼しながら本気でミラの首をその手で絞めあげる。その事に茫然としたミラはミュゼの手を振り解くことも出来ない。エルがそんなミラを救うべくルドガーに助けを求める。しかし、エルは子供ゆえの純粋さからルドガーに残酷な選択を課したことに気づいていない。
何故なら、ルドガーにはミラを救う必要など欠片もないのである。所詮はミラもこの世界を消せば消える存在なのだ。そんな者を救う価値など、どこにもない。寧ろ、無防備なミュゼを殺す絶好の機会なのである。己の使命を優先させるならミラなど助けずに真っ先にミュゼを殺すべきだろう。世界の
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