四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
[8/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
われたりして若干へこんだものの、エルがミラの作ったスープを褒めると褒められ慣れていない為か頬を赤らめて照れ隠しするミラの姿を見て気を取り直してホッコリとした気分になっていたがある人物の登場でその気分はすぐに無くなる。
『お帰りなさい、姉さん』
ミラがこわばった顔で見つめる先には目を閉じたミュゼが居た。
『臭い。お前、また人間の食べ物を作っていたのね』
『ごめんなさい。この子たち、お腹すいていたから―――あうっ!』
震えながら事情を話すミラへミュゼは精霊術を放つ。臭いと動けないと言っていることからどうやらミュゼは視力を失っているらしい。そんなミュゼにエルが抗議しようと飛び出そうとするがルドガーがエルの腕を掴んで引き止める。しかし、その瞬間、どういうわけか骸殻が発現し、ミラを驚かせる。さらに今度はミュゼの体から時歪の因子の証である黒いオーラが放たれてさらに驚く。その後、ミュゼとミラはどこかへ行ってしまった。そこで再び場面は移り変わる。
『……時歪の因子を壊せば、昔の姉さんに戻るのね?』
『……ああ』
場面はルドガーがミラを騙してミュゼの時歪の因子の破壊に協力させようとしている場面だった。ルドガーは時歪の因子を破壊すればミュゼは元の優しいミュゼに戻ると言ったが勿論そんなことは無い。時歪の因子を破壊すればミュゼもミラもこの世界ごと壊れて消えてしまうのだ。
それを隠しているルドガーの心境は実に複雑な物であったがこれも自分の世界の為だと必死に自分に言い聞かせて何とか自分を保っていた。そんなルドガーを黒歌達は複雑な心境で見つめていたがどうすることも出来ずに歯がゆそうにしていた。
結局の所、ミラはミュゼを元に戻すためとルドガー達に協力することに同意し、ミュゼの弱点は視力を失っているために音と匂いを消されると動けないということを教えた。それを聞いたユリウスが即座にミュゼの周囲に火をかけて空気を遮断する作戦を立てる。
『これでいいのか? ルドガー……』
『……良いも、悪いもないさ』
ユリウスはこれから、ルドガーが背負っていかなければならないものの重みを十二分に理解していた。だからこそ、ルドガーに止める機会を与えるような言葉を投げかけたのだ。全ては兄として弟を守りたいという想いの為に……。そんなユリウスの気持ちが分かるアーサーと黒歌は無言でユリウスを見つめる。
『若者をいじめるなよ。仕事には、こういうこともあるだろう』
『わかっているさ。だからこそ、俺は兄として……』
最後まで言い切らずにユリウスは歩いていく。その背中にはルド
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ