四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
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ルドガーの返事に嬉しそうな顔をしてブランコから降りるエル。そして再び真剣な顔になりルドガーを見上げる。それに対してルドガーも真剣な面持ちで見つめ返す。そこでエルが言葉を続ける。
『だから……一緒にカナンの地にいってくれる?』
『ああ、行こう』
ルドガーはそう言って懐中時計を取り出す。そしてゆっくりとエルの首にその時計をかける。エルはその行動に返してくれるのかと聞くがルドガーは無言で首を横に振る。エルはその意味を考えるように顔を伏せ、ルドガーの意図に気づくとパッと顔を明るくして笑顔を見せる。
『……そっか! エルがもってても同じだよね。一緒なんだから!』
『ああ、一緒だ』
ルドガーも穏やかな笑顔でそれに答える。エルは嬉しそうに再びブランコに座り直し、二人で一緒に二つある月を眺める。
『ホントのホントの約束だよ、ルドガー』
エルはルドガーに左手の小指を差し出す。それに対してルドガーもエルが何をしたいのかを察して右手の小指をエルの小指に絡ませる。そんなルドガーにエルが大切な約束の結び方を教える。
『パパが言ってた。ホントの約束は目を見てするんだって』
「だから、ルドガーは私が目を逸らすのを許さなかったのかにゃ」
エルの言う、約束の結び方に黒歌が以前ルドガーから告白を受けた時に目を逸らすのを止められたことを思い出す。あれはエルのパパがエルに教えてそれをルドガーが実践していたのだと分かると約束を破られた悲しみ以上に感慨深さを感じる。それと同時にエルのパパに対してどのような人物かと思いを巡らせるがいずれ分かるだろうと思い、考えるのをそこで止める。
『エルとルドガーは、一緒にカナンの地にいきます』
『……うん』
『約束!』
『ああ、約束だ』
二人の約束に黒歌達は思わず微笑ましい笑みを浮かべてしまう。この約束をルドガーが果たしたかどうかは今からわかることなのでそれを楽しみに見ていこうと黒歌達は思った。
その約束が―――どんなに残酷な選択のはてに果たされるかも知らずに。
―――少女の為に、 世界を壊す覚悟はあるか?―――
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