四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
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ビズリーの言葉で一同の視線がルドガーに集まるが当のルドガーはエルの力なのではないかと思い、エルと見つめ合う。しかし、それに対してユリウスが黙っていろと忠告してきたのでルドガーは何も言わないことにする。そしてビズリーは正史世界を救うためにカナンの地でオリジンに願い、個人の力では消去しきれなくなった全ての分史世界の消去を願うと言う。
そんな難しい話が続き、重苦しい空気が流れる中、エルのお腹が大きく鳴り空腹を知らせる。そのおかげで重苦しい空気はなくなり話は終わりへと進み始め、ビズリーが最後にルドガーに対してお前ならカナンの地へたどり着くことが出来ると期待を告げる。
『やってみます』
『ルドガー、お前はこんな……』
去って行くルドガーの背中に声を掛けようとするがもう、遅すぎることはユリウス自身がよく分かっているために途中で言葉を区切り、悔しそうに歯を噛みしめる。どれだけ足掻こうがもがこうが決して逃れることのできない一族の宿命。そう……これは―――呪いだ。
場面は変わりルドガーのマンションの外にある公園だった。あの後、エルとミラ、そしてジュードと共に食事をしたルドガーだったがエル用の『マーボーカレー』の美味しさに有頂天になったエルの子供ゆえの分史世界の破壊は偽物だから仕方ないと言う発言で食卓の雰囲気は一気に剣呑なものになりルドガーは針の筵に座っている気分になった。
エルに対して注意しようかとも思ったが壊した張本人である自分が言っても何の説得力もないので黙ることに決め、結局、食事を食べずに外に出て行ったミラをジュードが追っていったために二人分の食事が残ってしまった。その後、まるでついて来てと誘うかのようなエルに誘われて外に出て来たのがこの場面なのである。
『ルドガー、おしてー』
エルが公園のブランコに乗って足をパタパタさせながらルドガーにそう頼む。勿論、すでに若干エルコン気味なルドガーはエルの元に駆けよりエルを後ろから押す。
『任せろ、月まで飛ばしてやる!』
『ルドガーってタマにおかしくなるよね』
そんな会話をしながらまるで仲の良い親子のようにブランコで遊ぶ二人。そしてひとしきり遊んだところでエルが上目遣いでルドガーに語り掛ける。その時点でルドガーはエルのお願いなら何でも聞いて良いと思ってしまう。
『ねえ、なんとかのカギ―――ルドガーの“トクベツな力”って、エルと関係あるよね?』
『……そうだな』
『ルドガーは、エルがいないとこまるんだよね?』
不安そうな目で見つめて来るエルに対してルドガーが酷いことを言えるはずもなく即答する。
『力がなくてもエルがいないと困る』
『そっか、じゃあエルとルドガーは“アイボー”だね
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