四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
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が一つ叶えてくれるというのだ。
「まるで、主みたいですね」
「ああ、何でも叶えるとはまさに神の御業だ」
アーシアとゼノヴィアの元教会組がまるで聖書の神のようだと話し合う。常人であればおとぎ話と切り捨てることも神の奇跡を信じ続けて来た者達にとっては夢物語と断じることは出来ない。
『これは太古に人と精霊―――原初の三霊が交わした契約なのだ』
『原初の三霊……マクスウェル、クロノス、そして“無”の大精霊オリジン』
『奴らはこれを“オリジンの審判”と呼んだ』
オリジンの審判という言葉を説明するビズリーに本当にどんな願いでも叶うのかと聞くルドガー。それに対してビズリーは万物の始まりである“無”を操るオリジンは全ての精霊を制する存在なのだから、必ず叶えられると言う。イッセーはオリジンの審判にこれが以前ルドガーが言っていた審判なのかと納得する。
『彼等は、なぜそんな契約を?』
『力、意志、欲望……人間を試すためだと言う……が、人間の足掻く様を見て面白がっているのかもしれんな』
『精霊がそんなこと!』
『人の為に尽くす存在でもあるまい』
ローエンの質問に答えるビズリーだったがその精霊を悪者扱いする様な言い方にジュードが反論する。しかし、ビズリーから言い返されたことに思い当たる節があったのか押し黙ってしまう。そして、そこで本当に珍しいことにユリウスがビズリーの意見に賛成するように会話に入る。
『……真実かもな。事実、クルスニク一族は、カナンの地の一番乗りを巡って骨肉の争いを繰り返してきた。時に、父と子が―――』
ビズリーの方に一瞬だけ目を向けるユリウス。
『時に、兄と弟がな』
ビズリーがユリウスとルドガーを見ながらそう付け加える。黒歌達はクルスニク一族の血塗られた歴史に戦慄する。人間の欲望というものは簡単に家族の絆すら断ち切ってしまうという事実が黒歌達の心に重くのしかかる。
そんな空気の中、エルがよく分からない話に飽きて駄々をこね、アルヴィンもそれに賛同して道標を手に入れたのだからすぐにカナンの地に行けばいいと言うが、そう簡単なことではないらしく、カナンの道標は五つ必要で、今回、手に入れた道標『マクスウェルの次元刀』そして『ロンダウの虚塵』『海瀑幻魔の眼』『箱舟守護者の心臓』と後一つ不明の道標を集めなければならないらしい。
それに対してジュードが正史世界にカナンの道標を持ち帰ることがエージェントの真の目的だと言うが、分史世界の物質を正史世界に持ち込むのは誰にでも出来る事ではないらしくある特別な力を持つ必要があるという。
『我々は、その力の持ち主をこう呼んでいます。“クルスニクの鍵”と』
『ルドガー、お前がそうだ』
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