四十三話:Are you prepared to destroy the world for the sake of a girl?
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リウスと戦う姿勢に入る。
『ルドガー……俺を信じてくれ』
捨てられた子猫の様な目で見つめて来るユリウスにルドガーは一瞬たじろぐが、今まで兄に守られていた自分との決別の意味を込めて剣を握る。
『ルドガー…っ!』
『兄さんを信じられないわけじゃないんだ……ただ、これは俺の覚悟を決めるために必要な事なんだ!』
それだけ言って、ルドガーは苦悶の表情のまま寂しそうな顔をするユリウスに斬りかかっていく。そしてルドガーはユリウスを倒すことに成功するがその顔は浮かなかった。兄と戦ったのはもちろんだが、何よりユリウスが手加減をしていたのが分かってしまったからだ。
何度も手合わせしたことがあるがいつもユリウスは自分にとっては越えられない壁だった。それは今でも変わらない、にもかかわらず自分が勝った。その事実が、ユリウスが今まさに捕まえられそうだというのに、決して自分を傷つけぬ様に手を抜いたことを如実に表していた。自分はまた守られてしまったのだとそう思わずにはいられなかった。
そんなルドガーの様子を黒歌と白音は悲しそうに見つめる。ルドガーが居てくれたからこそ二人はこうして元の仲の良い姉妹に戻れた。しかし、ルドガーがいなければ自分達がああなっていたのかもしれないと思い、その中心にいるルドガーの気持ちを思いやる。そこで場面は移り変わる。
『よくやった、ルドガー。期待以上の成果だ。……それにしても、実に優秀な弟だな、ユリウス。私も鼻が高いよ』
場所はクランスピア社社長室で帰還したルドガー達と拘束されたユリウス。そしてそれを抑えるリドウが居た。そんなルドガーにねぎらいの言葉をかけ、次にユリウスに対して皮肉のようにルドガーを褒め称えるビズリー。ビズリー自身は皮肉ではなく素直に褒め称えているのだが、そんなことを知らないユリウスにとっては皮肉にしか聞こえなかった。
『お前と違って、俺はこんなことで評価される為にこいつを育てた覚えはない』
『こんなこと……人の世界を壊しておいてそれ?』
ユリウスの言葉に自分の世界を壊されたミラが噛みつく。壊された世界の人間からすれば自分の世界が価値の無い物のように言われるのは我慢ならなかったのだ。そんなミラの言葉にルドガーは一人苦悶の表情を浮かべるだけだった。
『話は聞いた。君が……』
『ミラよ。元マクスウェル』
『冗談ではなく?』
『世界を壊す会社こそ、冗談でしょ』
『望んでやっているわけではない。全ては正史世界のため、そしてカナンの地に辿り着くためだ』
そしてビズリーは語り始める。全てはカナンの地に辿り着くためであると、カナンの地はエルが言うように最初に辿り着いた者の願いを、どんなものでも大精霊オリジン
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