下忍編
新術
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もうすぐ、始まる」
「ああ。確か最初はナルトの奴だったか」
「ん」
第一試合「うずまきナルト」VS「日向ネジ」の試合は、もう少しであった。
・・・
一歩踏み出したナルトのチャクラが爆発し、ネジへと爆走する。
咄嗟に両手を顔の前で交差させて、衝撃を往なしたネジは、突撃してくるナルトの足がある地面に向かって、苦無を放つ。
「…足の印、今ので四回目」
苦々しげに言ったカトナに、サスケは写輪眼を発動した状態で見回す。
「…駄目だな。チャクラがいきわたってない。あれだと爆発して放出するだけだ。確か、今まで一度も発動してないんだろ?」
「練習では、それらしいのが出来てたよ…それらしいの、だけど」
そう、実は今の今まで一度だって、足の印は成功していない。
サクラやカトナが知恵を振り絞って作ったそれは、理論上は完ぺきである。
理論上は、だ。
彼女たち自身がテーマとしておいたのは、『両腕が使えない状態で組める印』であるので、両腕が使える彼女達ではなく、ナルトの体を基に考えられている。
そのため、あの印が使えるのはナルトや両腕が無い忍者だけだ。
カトナやサクラはそれが本当に可能なのかを確かめれていないのだ。
唯一、確かめれるのはナルトだけでしかない。
…危険な賭けだと思う。
だが、カトナは信じている。ナルトが必ずその術を発動できることを。
・・・
体を貫いた柔拳に、ごふりと血が口から零れる。
痛い、苦しい。そんな思いが駆け巡るが、気力で耐えて、ナルトは腕を振るう。
呆気なく避けられたそれを目で追いながら、ネジはどこか冷めた目でこちらを見つめる。
中盤にともなると、どちらが優勢かが目に見えて分かるようになった。
圧倒的に、優勢なのはネジであった。
もともと、体術しか使えないナルトと体術も忍術も使えるネジの相性はあまりよくない。
しかも、相手はお家芸とやらで、体にダメージを残してくるのだ。
一つ一つの拳の重さが重く、経絡系が絶たれたせいで傷をいやすことも出来ない。
圧倒的格差。ネジは残酷なまでに静かにつげる。
「諦めろ。それが運命だ」
貴様がここで敗北することも。ヒナタ様が俺に敗北することも。俺が分家であることも。ヒナタ様が宗家であることも。貴様が火影になれないことも。
全ては運命だと、ネジは言う。
何度も何度も何度も。
この戦いで始まってからもう、数えきれないほどに突き付けられた言葉に、ナルトは大きく息を吐いた。
確かに、人は望んで生れたいところに生まれては来ないだろう。
確かに、いつの間にか、自分が知らない間に何か背負わされていることもあるだろう。
自分の意見を聞かれないままに、誰かに何かを押し付けら
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