マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0923話
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降り注ぐ太陽の日差しに眉を顰めながら周囲を見回す。
春の如き陽気は気持ちいいのだが、眩しい太陽というのはあまり好きじゃない。
いや、そもそも……
「別に遠出をするならニーズヘッグ……とまでは言わないが、サラマンダーでもよかったんじゃないか?」
「そう言うけど、普通の車じゃないだけマシだろう?」
俺の言葉にそう返してくるのは、助手席に乗っているスレイ。
「うわぁ、これ凄いわねぇ。ムラタぁ、これも科学の力って奴なのぉ?」
「うむ」
そして後ろでは、ムラタとロゥリィが並んで座りながら言葉を交わしていた。
当然ムラタは日本刀を身につけており、ロゥリィはハルバートを持ち込んでいる。
それでも邪魔にならなかったのは……
「後ろの2人もこう言っているし、普通の車で来るよりは大分マシだと思うがな」
そう。スレイの言う通り、俺が乗っているのはホワイトスターで使われているエアカーだ。
ホワイトスター内で使う事を前提として作られている為かオープンカー状態に出来るので、ハルバートが屋根につかえたりせずに乗り込む事が出来る。
この門世界では、当然ながら文明の類は殆ど発達していない。コンクリートによる道路の舗装なんてものは存在していない為に、もしもこの車が普通のタイヤで走る車であれば振動が物凄い事になっていただろう。
空中に浮いて走るエアカーだからこそ、道路……いや、この場合は街道と呼ぶべきか。ともかくその街道がデコボコだったり、あるいは穴があったり、はたまたかなりの数の石が散らばっていたとしても問題は無い。
そもそも、この街道の類はきちんと整備されて作られた訳ではなく、長年馬車や旅人が歩いて自然と踏み固められた代物だ。
それを考えれば、道路整備云々というのは筋違いなんだろうが……
「にしても、何でお前達まで? スレイが付いてくるのは、まぁ、分からないでもないんだが」
春に近い日差しの中をエアカーで走りながら、後部座席に座っているムラタとロゥリィへと尋ねる。
スレイの場合は、一応俺の身分が身分である為という理由があった。
……まぁ、正確には半ばデートに近い代物ではあったんだが。
スレイにしても、言葉では否定していたが本心ではそのつもりだったのだろう。出発する寸前にムラタとロゥリィが乗り込んできた時には微妙に機嫌が悪かった。
それでも暫く走っていれば機嫌の悪さも直った辺り、切り替えの早さはスレイだからこそだろう。
「だってぇ、遠出するんでしょぉ? だったらぁ、折角だから一緒に行きたいと思っても当然でしょお?」
「俺はまぁ、ロゥリィに半ば無理矢理にだな」
嬉しそうに流れていく周囲の景色を見ながら呟くロゥリィと、憮然とした表情を浮かべつつ、それでも決して不機嫌とい
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