空白期 中学編 10 「迫り来る夏」
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るの!?
こんなこと考えたら余計に顔が熱くなるよ。街中だから人目だってあるし、変な視線向けられたら私だけじゃなくディアーチェ達にも迷惑掛けちゃう。考えないようにしないと……。
「……何より私はあなた方ほど人に見られて困る体をしていませんので。気合を入れて選ぶ必要があるのは当然かと」
「チラッと我らの一部を見るでない! というか、今の貴様の言動はセクハラにも等しいぞ!」
「ディアーチェ、場所を考えて。大声でセクハラとか言ったらダメだよ!」
「そういうあなたも言っていますがね」
うぅ……さらりとそういうこと言わないで。恥ずかしさと精神的な痛みが同時に来るから。
髪型を似せたらそっくりに見えるんだろうけど、シュテルとなのはは似てないよ。なのはは今みたいなこと言わないもん……。
などと考えた矢先、シュテルが何か思いついたようにポンと手を鳴らした。
「そういえば、フェイトにはまだ見せる相手がいましたね」
「え?」
「何を呆けているのです。あなたにはなのはという相手がいるではありませんか」
なのは……に見せる? 何を……普通に考えると、流れ的に水着だよね……水着!?
いやいやいや、なのはは女の子だよ。何で私がなのはに水着を見せるの。似合ってるかどうかくらいは聞くかもしれないけど、ショウに対して思うような感情はないんだけど……って、ショウに見せたいとか思ってない。褒めてもらえたら嬉しくはあるけど、見られるのは恥ずかしいし。自分から進んで見せたいとか思ってない。
「凄まじい勢いで表情が変わってますが……まさか図星だったのですか?」
「ち、ちが……な、なのはとは大切な友達ってだけで」
「ほう……大切な、友達ですか」
「おかしな感情とか抱いてないから。分かっててからかうのやめて!」
「そうだぞシュテル、我々をからかって楽しいか!」
ディアーチェの言葉に、シュテルは静かにメガネの位置を直し、真剣な表情を作る。そして
「楽しいか楽しくないかで言えば、楽しいですね」
「はっきり言えば許されると思うな! な、何だその顔は!」
「いえ、今日という日を楽しめと言ったのはそちらではなかったかと思いまして」
「ぐぬぬ……そうではあるが、人をからかって楽しめとは言っておらぬ。女子でしか出来ぬ会話などで楽しまぬか!」
「女子らしい会話ですか……」
ディアーチェに掴まれたままシュテルは考え始める。真面目に考えているようには見えるが、どうしてか私の心はざわついてしまう。
「……では、好きな人はいますか?」
「――っ、馬鹿か貴様は!?」
「うん、そういうのは道端で話すことじゃないよ!?」
「そんなに慌てるということは、つまり心に想う相手がいる……」
「えぇい、黙らぬか! 黙らぬなら無理やりにで
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