天の御使い
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「何だ、お前。
もしかして、この頭のいかれたこいつを助けに来たのか?」
その時だった。
近づいた男の両腕が空中に舞うのを見たのは。
「へ?」
男は何が起こっているのか分かっていないようだった。
自分の腕を見てようやく何が起こったか理解した。
それに合わせるように両腕から血が大量に出血する。
「お、おおお、おれのうでがああああああああああ!!!!」
ボトリ、と地面に落ちた自分の腕と見比べて男はそう叫んだ。
溜まらず俺は目を逸らす。
「目を逸らすな。」
いつの間に鞘から抜刀したのか。
刀を左手に持っている男が俺に言う。
「しっかりと焼き付けろ。
この世界は甘くはないと。」
横に一閃して腕がなくて叫んでいる男の首を刎ねる。
男の首は地面に落ちる。
死んだというのを理解していないのだろう。
表情は叫びのまま、偶然か俺の方に顔が向けられる。
目と目が合い、俺は口元を押える。
それにも関わらず俺は地面に吐いた。
人が死んだ。
目の前で死んだ、という事実をようやく理解した。
「てめぇ、よくも!!」
残りの二人も剣を抜いて刀を持っている男に襲い掛かる。
刀を持っている男の構え、いや実際には構えをとっていないようだが俺には分かった。
この男は強い。
剣道で培った観察眼なのか一回見ただけではっきりと分かった。
そして、この男達も死ぬんだなと何故か分かってしまった。
速すぎてどんな風に斬ったのかは分からない。
ただ二人の男の首は刎ねられ、首元から血が噴水のように出てくる。
それを見てまた吐き気が襲い掛かる。
吐くものは全部吐いたのか、口からは何も出なかった。
「大丈夫か?」
男は刀についている血を振り払う。
刀を鞘にしまう。
近づいてくる男に俺は無意識に後ろに下がってしまう。
身体は未だに震えていた。
「まぁ、警戒するのも無理はないな。
俺も初めてこの世界に来てこの惨状を見れば警戒するよ。」
「この世界・・・・?」
男の発言に俺は思わず聞き返してしまう。
すると、男は突然後ろを見る。
釣られて俺も見ると砂塵が舞い上がっていた。
それを見て男は軽く舌打ちをする。
「さすがは華琳だな。
もう来たか。」
男は馬を呼ぶと馬は男の元までやってきて、それに乗り込む。
未だに尻餅をついている俺に言う。
「お前はどうする?」
「ど、どうするって・・・?」
「このまま尻餅ついていても、今向かっている部隊に保護はされるから安全は保障されるだろう。」
砂塵を巻き上げている何かを指さす。
「どうして安全だって言えるんだよ。」
声を振り絞り俺は言う。
男は俺の質問に答える。
「あ
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