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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第四章 覇王の会議《2》
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 日来学勢院と宇天学勢院。双方の真ん中で椅子に座りながら会議を見ている若い少女に、中年の榊は話し掛ける。
「普通は覇王会じゃないのに、わざわざ日来になんて来ないでしょ」
「私はただ心配だったから。無理言って一緒に付いて来ただけです」
「仲間思いのいい子だね。蓮とは大違いだなあ」
 榊は少女の横に座っている、老婆を見て言った。
「若い頃から礼儀のなってない子だね。私だって仲間思いのいい子だったさあ」
「何処がだよ。仲間を背後から池に突き落としたり、男子の恋話に参加するわで、いい迷惑だったことしか記憶にないよ」
「学長の悪口は許さん」
「お前も蓮災害の被害者だろ」
「昔のことは関係無いな。今をちゃんと生きることを勧めるぞ」
「お前は本当、機械になっても口が悪いな」
 歳の行った男女と騎神が話している。
 会議のことなど関係無いような、そんな感じだった。
「「三人は知り合いか何かですか?」」
 女性教師と女性学勢が同時に、同じ言葉を口にした。
 少し間が空いた後、榊が口を開いた。
「二人ってなんか似てるよね」
「「そんなことないですよ」」
 また、同じ言葉を口にした。
 教師と学勢は互いの顔を見詰め、頬を赤めた。
「……そのようですね」
「……はい、そのようでした」
「会議中にこんなに楽しんでいいもんなのかねえ。日来が独立宣言してるってのにさあ」
「今は楽しめばいいのかと思います」
「タメナシの言う通りさ。今は面倒臭いことは後回しでここだけで楽しんじゃおう。今後どうなるのかなんて分からないんだしね」
「どうなるか、ねえ。お前が言えたことじゃないだろうに」
「蓮もだろ」
 笑いながら榊は言った。
 楽しむべきところは楽しもう。そうしなければ、苦しみだけが自分に乗し掛かってくる。
 誰しも面倒なのは御免だ。
 しかし、人間の社会はそううまくは出来ていない。だからその被害がたまたま、日来に襲い掛かって来ただけだ。
 そのたまたまが、笑える程度のものなら良かったと、榊は二組の覇王会を見て思った。
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