第一物語・前半-未来会議編-
第四章 覇王の会議《2》
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例えば、
「何か隠しているのか?」
「どういう意味かしら」
彼方の隊長が睨んできた。
間違い無い、と飛豊は確信する。
先制攻撃は早い者勝ちだ。当たり前だけどな。
今、彼方の隊長はこちらに睨みを効かせてきた。それ以上言うな、の警告だ。
後戻り出来無い会議では、調子に乗ったことが出来るのが魅力だ。
しかしやり過ぎると、今後のことに迷惑を掛けてしまいそうなので、これ以上は問い詰めない。
「いや、そちらがあまりにも早く会議を進めるからな。何か隠し事があるのかと思ってしまった」
「隠し事なんて誰にでもあるでしょ。それに万が一あったとしても日来には関係無いわ」
「すまない、小さいことが気になる性分なんだ」
「確かに、飛豊ってお金のことになるとけちけちするんだもの」
「商売、上がったり下がったりで大変だ。よくもまあ価値が低い頭を持つものだ」
「お前達は黙れ」
伝達者二人を叱りながら、飛豊はレヴァーシンクの方を向く。
「レヴァーシンクからは何か聞くことはあるか? ネフィアや空子、二人は特に聞くことは無いだろうしな」
「そうだね……」
言い、レヴァーシンクは立ち上がり、宇天の隊長の方を向いた。
「関係が明白になったわけだから、“その二”に移って今度は今後の日来について話してもらおうか」
「いいわよ。今後、日来が交換を認めるならば、調を神州瑞穂に迎える。もし日来が認めないのならば、奥州四圏との争いになるわ」
言ってくれるね。レヴァーシンクは思いながら自身が表示した映画面を見る。
映画面には多くの批判のコメントが流れている。
全く、どうにかしろなんて簡単に言ってくれるよ。
日来に残ったからにはどんな状況になろうとも、責任は日来に残ったその者自身にある。
だが、如何に覚悟をしたとしても、その覚悟は揺れ動くのが人間だ。と、レヴァーシンクは思う。
だから皆を導く王が必要だ。
そして、それが覇王の名を冠する覇道の道を行く覇王会であり、長だ。
もうその長は、既に決断を下している。
「咲先生。会議中申し訳無いけど、この会議って神州瑞穂中に放送してるのかい?」
「いいところに気が付きましたね。気付くまで言わないように決めてたので、すみません」
「それくらい世界に目を向けなきゃあ、覇王会失格だよね」
咲の言葉に、更に榊が言葉を加える。
レヴァーシンクは掛けていた度の入っていない眼鏡を整え、飛豊に語り掛ける。
「君の受け身型の会議、いきなりだけど攻撃型の会議に変更ね」
「……っ! 動くのか」
「わたくし達が動くなら、ここら辺でこちら側の立場をはっきりさせておいてもよいかと」
「住民からの批判覚悟だな」
「何好き勝手やってんだとか叫びながら、社交員が乗り込んで来ないか心配だよねえ」
「
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