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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第四章 覇王の会議《2》
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 蒼天の空の下、二つに分かれている覇王会に日が当たる。
 ぐったりとしている男子が三人程見えるが、周囲はそれを気にせずに会議を進めていた。
「それじゃあ、うるさい奴も黙ったことなので会議を始めよう。こちらの長が先に発言してしまったので、こちらが先攻で行こうか」
「それじゃあ後攻は私たちね。そうね、そちらの長が言う通り“その一”からで行こうかしら」
 会議場の上にある映画面|《モニター》に映る、“その一”の文字に赤丸が付く。
 それを見た飛豊は思った。
 一先ずは安心か。しかし、この馬鹿長何を考えてるのか分からないな。
 別にこちら側が先に発言しなくてもいいのだ。
 何故なら、自分達も相手も立場が危うくなろうともこれから敵となる運命を辿る。
 日来が彼方の指示に従い他勢力群|《イレギュラー》に移り住んでも、指示に従わず敵対しても、結局は有効打を持たない日来はその名を消すことになる。
 ならばここは、相手の様子を見て如何に今後の情報を得るかが重要なのだ。だから飛豊は解らなかった。
 何故、自分達の長は先に発言したのかが。
 彼方はこちらの様子を伺っている。そして彼方の隊長が立ち上がり、机に手を着いた。
「始まって早々に申し上げますが、今後奥州四圏は日来から……」
「ちょっと待っ――」
 飛豊は立ち上がった。
 先程の長であるセーランの発言を彼方は先攻側の発言と捉え、今度は彼方が発言して来た。
 だが彼方は、動いた口を止める気配は無い。
 本当はここから先は聞きたくない。聞けば選択を嫌でもしなければならない。
 日来を捨てるか、世界を敵にするかを。
 何故、お前はこんな会議に社交院の代わりに出ようと思った。こんなこと、大人がやることだろ。
 飛豊は立ったまま、ぐったりとなっているセーランを横目で一瞬だけ見た。
 先程のパンチがよほど効いたのだろう。ピクリとも動かない。
 そんなことを思いながら、耳からは宇天の隊長の言葉が入って来る。
 そして、彼女ははっきりと日来に告げる。
「――日来から、手を引くわ」
 その言葉に日来がざわめいた。
 手を引く、それは日来を捨てるという意味だ。
 予想はしていたが、直に言われるとキツいな。
 右に座っている空子の向こう側。
 レヴァーシンクは自身の映画面を表示し、伝界|《ネット》でこの会議についての受け答えをしている。
 その伝域|《サイト》の観覧数が一気に四桁を突破し、五桁に近付いていた。
 焦りを感じながらも、冷静に振る舞うよう努める。
「それは日来を他勢力群の貿易艦隊・調と交換する、と言うことでいいのだろうか」
「その通りよ。聞きたいことがないなら、次に進むわよ」
 焦らせるな、と飛豊は思う。
 会議の場で相手を焦らせるのは、何かしらの理由がある。

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