暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第三章 覇王の会議《1》
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の仕方は解っているも、流れが今一掴めていない。だからここは物知りな恋和に尋ねた。
 そうねえ、と悩みながら恋和は言う。
「駄目ってわけじゃないけど有利になりにくいのよ」
「じゃあ、なんで長は先攻を取ったんですかね」
「それは馬鹿長と呼ばれてるからだろう」
 機竜系破族であるトオキダニの答えに、何故か納得している自分がいる。
 そのことに逆に疑問を持つが、考えるのも馬鹿らしいので止めた。
 苦笑いの恋和は馬鹿長ことセーランを庇うように、せめてもの言葉を送る。
「馬鹿長呼ばわりされてるけど、きっとセーランも考えがあってのことだと思うの」
「リュウもそう思うなー。しかし、身内殺しはいけないなー」
「ほうほう、マチョラ君もそう思いますか。いやはや、やはり君とは気が合いますな」
 リュウの意見に頷いたのは、ぽっちゃりした体型である天布の横にいる巨漢の学勢マッチだ。
 しかし、気恥ずかしそうに顔に巻いてある布を、今は目を隠すように上げている。
 長い紺色の髪をした美兎が、会議に何やら詳しい彼女に言う。
「恋和さん教えて下さい、会議のこと。ここにいる殆どの人が分からないと思うんです」
「そうだよ。特にぼく達、機関部の連中は会議なんてしたこともないしね」
「……打ち合わせなら、よくするけどな……」
「ジューセン、会議と打ち合わせは違うだろ?」
 高笑いをしている煙管をくわえた入直は、ふて腐れたような顔をするジューセンを笑う。
 笑われたジューセンからすれば、分かっていて言ったのであって笑われるようなことは言っていない。
 恋和はそそくさと、映画面|《モニター》を表示し説明に入る。
「じゃあ、説明するわね。何故先攻の方が不利なのか、それは簡単」
 彼女は笑顔のまま、右手の人差し指を立てながら言う。
「受け答える側になるからよ」
 その答えに、反応した者はやはり少ない。殆どの者は首を傾げるだけだった。
 だが、その様子を彼女は当たり前だと思い、説明を続ける。
「先攻でこっちが宇天学勢院の方に疑問を投げたら、宇天学勢院はその疑問を答え、そしてこちらに新たな疑問を投げてくる。こちらはその疑問に答えるけど、基本的にこの次に日来学勢院から疑問を宇天学勢院に投げ付けられないの。何故か分かる?」
 彼女の問いに答える者はいない。
 皆は恋和を見て、答えを求めている状態だ。
 答えが出る気配も無いので、仕方が無いので会議の様子が気になるが話しを続ける。
「答えた疑問に対して、宇天学勢院からまた疑問が投げ付けられるからよ。これがかなり厄介でね、相手のペースに填まったらなかなか脱け出せない。だって答えたら疑問がまた投げ付けられるんだもの。これだけでもう先攻は取らないぞ、て普通は考えるでしょ?」
「確かにそうだよね。わざわざ相手の有利に
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