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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第三章 覇王の会議《1》
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やこれは束縛プレイか! これ束縛プレイだな!?」
 いきなりネフィアが持つ銀色の縄に強く縛られたセーランは、机の後ろの席まで引っ張られ後退した。
 意味が分からないが笑っている長はやはり馬鹿だと思いつつ、ここは覇王会隊長として長を正す必要がある。
 これで変な真似はしませんわね。
 銀色の縄を変形させ、椅子ごと縛る。
 あまりにも長の扱いが雑なその光景を、来訪者達は呆然と眺めていた。
「え、えっと、次は辰ノ大花の皆さん。宜しくお願いしますね」
「咲先生も苦労するね」
 咲の左側に立つ榊は、彼女だけに聞こえる声で同情した。
 言葉には出さないものの、苦労が伺えるような頷きを返された。彼女自身、三年一組の空気にはまだまだ慣れていないのかもしれない。
 自己紹介は終わらず、次に宇天学勢院にへと変わる。
 まず始めに、辰ノ大花のゴーグルを掛けた細柄の男子が前に出た。
「宇天覇王会戦術師の棚部・御茶丸と申します、ええ。今回は宜しくうう」
「何あれ気持ち悪る!」
「黙れよ、ニチア」
 飛豊の注意にニチアは膨れる。
 赤い眼鏡のレンズ越しに、睨み付ける視線を放たれるが飛豊は気にしなかった。
 自分が気持ち悪がられたのも気にせずに、はっはっはっ、と笑う御茶丸は下がっていった。
 今度は忍者が足を引きづりながら、前へ出て来た。の前に御茶丸の先程の怒りが込もった平手打ちを背中に浴びた。
 その見事な音に、恐れる者もいれば拍手を送る者もいた。
 今日はやけに仲間にいじられると感じながら、忍者は足と背中の痛みと共にやってきた。
「自分、宇天覇王会伝達者、葉隠・介蔵と言う者に御座る」
 介蔵は気付いていた。
 建物の中から自分を狙うかのように、視線を自分に向けている誰かがいると。
 誰なのか。それは視線の送り具合で理解出来た。
 古き友の視線を。



 外交区域学勢領の建物の会議場が見える窓から、幾人の学勢がそこから会議を覗いている。
 残りの者達は同室の部屋の中で、映画面|《モニター》越しに会議を見学していた。
 窓際にいる一人のポニーテールの女子学勢は、来訪者達の方を見ていた。
 魅鷺だ。
 葉隠・介蔵と言う者を、まるで獲物の動きを観察するような鋭い視線を向けている。
「……介蔵殿」
 ぼそりと、その者の名を口にする。
 すると横にいる小柄な身体に似合わず、大きめの制服を着た女子が話し掛けてきた。
「そう言えば魅鷺ちゃんはくの一でしたね。あの忍者とはお友達で?」
「まあ、そのようなものに御座ろうな。ここに来る以前は拙者、辰ノ大花に所属していたで御座る。その時の仲間に御座るな」
「なるほどですねー。でも今回、敵側みたいな感じですけど……」
「あれはあれ、これはこれに御座る」
 割り切ってますねえ、
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