第一物語・前半-未来会議編-
第二章 時の始まり《2》
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ノ大花は来ると連絡を受け、それから幾らかは時間が流れている。
緊張すると時間は長く感じるものだな、と日豊は思う。
緊張を解くように深呼吸をし、肺に空気を送った。
「どした飛豊、緊張してるカ?」
「まあな、空子は緊張しないのか」
「緊張に慣れてるからナ。掌に人って漢字を三回書いて飲むと緊張しないっテ、恋和言てたヨ」
「ビタミン剤を腹痛薬と思って飲むと、腹痛が治るっていうあれと同じか」
「……う、うん。きっとそれと同じネー」
「最初の間はなんだよ!」
日豊は恥ずかしがって顔を赤めた。
周りは見下すような眼差しを、赤面の日豊に向ける。
「出た、飛豊の貧乏知恵」
「お金が無いなんて本当かわいそう。そこまでしないと生きられないなんて、現実はなんて残酷なの!」
「本当にそうだな。価値ある知恵と、そうじゃない知恵が区別出来無くなるとは……本当に残酷だ」
「いらん同情はやめろ! ほ、本当にかわいそうな奴だと思うだろ」
「「違うの?」」
「皆、揃って言うなよ!」
騒いでいるなかで、レヴァーシンクは自身が開いている映画面|《モニター》の右上に映る伝文|《メール》のアイコンを押し、本文を見た。
数秒後、読み終えたのか開いていた映画面を閉じて、騒いでいる仲間達の方を見る。
「騒いでいるとこ申し訳無いけど、いよいよ来るよ。僕達、日来の今後の未来を伝える者達が」
その言葉を聞き、仲間達は騒ぐのを止めた。
真剣な眼差しをして、映画面を消すレヴァーシンクを見る。
「まあ、セーラン君は正門の方で待ってるからここは覇王会戦術師として僕が言うよ。
この話し合いと言う会議に日来の運命が掛かってる、なんてことは君達は嫌な程聞かされたね。だからもう言わない。僕達が上手くやれば日来には少しはマシな未来が待ってる。もしこれが上手くいかなかったら日来は世界から消えるだろうね」
仲間はこちらを見ている。
覇王会戦術師はその名の通り、戦術を練る役職だ。戦いの流れを左右する重要な役割だが、表立って戦術を皆に知らせるのは戦術師以外の役職となってしまう。
甘い蜜を狙う蜂の如く、戦術師から戦術を取ってしまったら何も残らない。
だから今回のように戦術師がリードする場面は、レヴァーシンクにとっては泣ける程に嬉しかった。
何時もは舞台脇の役者だった。けど今は違う。いいね、まるで僕が仕切っているみたいだ。
浮わついた気持ちに気付きながらも、言葉を続けた。
「まあ、どっちにしろ日来には世界を敵に回すしか残る術はないんだけどね。だから僕は上手くいこうが、いかなかろうが大差無いと考えている。だけどやるからには最良の結果を残す。
いいかい建物内にいる皆達も、これから何が起ころうともう逃げられないよ。逃げたいなら会議が終わるまでに転校届けを他学
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