第一物語・前半-未来会議編-
第二章 時の始まり《2》
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後ろにいる長はこれを、学勢の意思を無視した行為だと意義を唱えた。そのことで社交院と数日に渡って話し合い、今の状況になっているわけだ。
そう言えば、我が覇王は今日想い人に告るとか言ってましたけど。誰なのでしょう?
後ろでまだ髪をいじる、見えないセーランを見るように後ろを見る。
何を想い、何を考え行動したのか、その全ては覇王会面々でさえも分からない。
ただ、何があろうと、
「信じてますわよ」
答えるように、セーランはネフィアの頭を数回叩く。
二人の教員は、今は数歩離れた所でこれから行われる会議について話し合っていた。
″俺も″ですか、我が覇王。信じてくださいませ、その期待に応えて見せますから。
会議場の準備が終わったのだろう。数名の学勢がこちらに手を振ったり、視線で終わったことを知らせている。
こちらも顔を上下させ、伝わったことを知らせた。
「幣君、あと十数分ぐらいで着くそうなので準備しといてくださいね。皆さんも覇王会以外は建物のなかに入っていてくださいね――!」
咲が声を張り、三年一組の学勢達に伝える。
伝わったのだろう。覇王会を除く学勢達は建物の中に入り、会議場には覇王会面々が残る。
髭をいじりながら、覇王会会長であるセーランに榊は一言。
「いよいよ、て感じだね。気合い入れなよセーラン君」
「んじゃ、これから頑張りますかっと」
セーランはそう言い、ネフィアの背から離れた。
やっと離れたと思いネフィアは、ポケットから手鏡を取り出し髪を整える。
今だ変わらぬ景色を楽しむかのように笑い、長であるセーランはこれからのことを思った。
世界を渡る日々のことを。
●
青く広がる空の下、西二番貿易区域に一つの戦闘艦が停泊している。
青い竜の紋章がある戦闘艦だ。その戦闘艦の近くには数人の学勢がいる。
少し離れた所で彼らを、日来の住民は興味本意で見ていた。
「これで日来宛の伝文|《メール》の作成は完了、そして送信っと。全く、日来は辰ノ大花と違ってのんびりとしてますねえ」
ゴーグルを掛けた辰ノ大花の者が一人。映画面|《モニター》で伝文を送った後、周りを見渡して言った。
特にうるさくもなく、静かでもなく。日来は何時もと変わらぬ時間が流れている。
変わらぬ日常のなかに、彼ら部外者が来たのだ。
「奏鳴様、体調の程は?」
「大丈夫だ、実之芽。竜神の力は今は静まっている。心配を掛けてすまないな」
「いいえ、無理はなさらぬよう」
「そうですよ。もし奏鳴ちゃんが倒れたら実之芽君が、いや! 行かないで、そーめーい!! なんて叫んでもう僕達もパニックパニック」
「黙りなさい、棚部」
これから始まる話し合いのことを忘れているのか、棚部一人がよく騒いでいた。
そんな棚部の後ろか
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