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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
48.静寂からの始まり
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。一番目と二番目といえば、どの世界の順番においても強いという印象を持ってしまう。だとするならなぜ彼らは姿を現さないのだろうか。それが意図があって姿を現さないのだとすれば何かを企んでいるのであろう。
「それでも私たちがやることはこの巫山戯た宴を止めるだけよ」
そうだ。柚木たちがやることはただ一つ。
この巫山戯きった宴をどんな方法を使ってでも止めることだ。それをできるのはここにいいる“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の眷獣たちに選ばれたものたちだけなのだ。
「よし! 出来たわよ」
話をしながらもずっと叩き続けていたパソコンのキーボードの手を止めてこちらへと向いた。
「やっとできたのね。例の物が……」
「例の物?」
柚木が疑問の声を上げる。
それに応えるように京子がパソコンの隣に置いてあった金属質の筒へと足を運んだ。円筒形の金属の上部にはボタンのようなものがある。それを押すと筒から白い煙が吹き出してきた。
その時、柚木は一瞬液体窒素という言葉が頭をよぎった。しかし京子が躊躇わずに手を突っ込む。白い煙の中から再び現れた手にはある何かを握っている。
銀色の輝きを放つ十五センチほどの長さの先端には片刃が付いている。それは手術に使うメスのようにも見える。
「これが私たちの最終兵器よ」
京子が自身ありげに口を開いた。
最終兵器という言葉に少し混乱する。別にその言葉自体に混乱したというわけではない。最終兵器というにはあまりにも小さすぎるのではないかと感じてしまった。
「それが開発していた例のものですね」
「ええ、これが“
無式吸型刃
(
アブソー・メサ
)
”よ」
アレイストの問いかけに美鈴が答えた。
あぶそーめさ?
それが最終兵器と名前なのだろうか。聞いたことがないどころかどこの国の言葉なのかすらわからない。
「なんや、その謎のモンは?」
代わりに海原が訊く。
椅子から立ち上がって美鈴も円筒形の金属の中へと手を入れて中からメス状の刃を何本か取り出した。
「簡単に説明するならこれを魔力が少なくなった“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”刺せば……眷獣を殺さずに奪うことができるわ」
「え……!?」
あまりのことに驚愕の声が漏れた。
彼女の言葉を一瞬理解することができなかった。そもそも吸血鬼から眷獣を奪い取ることができる“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”という存在自体が
規格外
(
イレギュラー
)
だ。それなのに吸血鬼を殺すことなく眷獣を奪い取ることができるアイテムがあるなんて思わなかった。
「そないええアイテムがあるんならはよくれや」
「今さっき出来たって言ったでしょうが。人の話をしっかり聞け」
京子が海原の頭を軽く叩いた。する
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