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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第69話 虹色の剣
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そう言って手を差し出すエリス。
俺はその手を何の疑いも持たず取った。

「エリス、セット………」
「ごめん零治」
「えっ!?」

その後、不意に俺の身体全身に電流が流れた。

「なっ!?」

微弱な電流であったが、全身に流れた後、一気に身体の調子がおかしくなる。

「エ……リス………?」
「ありがとう、私を許してくれて。だから………」

急激に力が抜けていき、視界もどんどん暗くなっていく。痛みは無かったが疲労感と脱力感が遅い、その場に崩れる様に倒れる。

「あ………あ………」
「お休み零治………」

優しい笑顔を見た瞬間、俺は意識を失った………


















「エリス!?」
「お前、何を………!!」

いきなり崩れ落ちる零治を見て、2人は声を荒げた。

「零治!!何をしてんだよエリス!!」

アギトが慌てて駆け寄り揺するがピクリとも動かない。

「零治には眠ってもらったの。既に限界を超えて無理をしたんだもの、2、3日は絶対に起きないでしょうね………」
「お前何を考えて………」

「私がこのゆりかごの中枢部を破壊します」

桐谷の問いの途中でエリスがハッキリとそう答えた。

「エリス分かってるのか!?そんな事したらエリスが………」
「分かってるわアギト。だけどこうするしかもう手は無い」
「だが、お前は………」
「私はデバイスよ?人間じゃないわ。破損すれば直せる」
「そんな生易しい爆発だと本気で考えているのか?」

桐谷の言葉に何も返せないエリス。

「だけどもう決めた事なの。どちらにしても誰かが犠牲にならなくちゃいけない。だったら目覚めたばかりで知っている人の少ない私が妥当でしょ?」
「妥当って………」
「お前は良いのか?」

桐谷が苦々しく呟く中、バルトマンが神妙な顔で聞いて来た。

「私は良いの。心残りだったことをやり終えて、それも零治は受け入れてくれたから………」
「………そうか」

満足そうな顔で話すエリスにバルトマンはそう答えた。

「バルトマン!?お前何を考えて………」
「こいつの言っている事は間違ってはいない。未だに信じられないが、こいつは零治のデバイスであり、人じゃねえ。だったらこの場合適任だろ」
「お前………!!」
「それに!!こいつの覚悟は本物だ。こいつの事は俺は全く知らない。もしかしたらお前がそこまで気に掛けるほど零治の大事な人なのかもしれないな。………でも、だからこそコイツは決めたんだ」
「ええ、私はここで生きる零治の世界を守ってあげたい。そして幸せになってほしい。それが私の………いえ、デバイスとしてマスターへの想い。桐谷、分かって………」
「くっ……
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