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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第69話 虹色の剣
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静寂が場を包んだ。
鮮やかで鋭い刀の斬撃がクレインを包み、一閃した後、時が止まったかのように2人共動かなかった。

「まさか………」

そう小さく呟き、クレインは倒れ込んだ。全身にはおびただしい斬撃の跡があり、その威力の凄さが分かる。

『これがあなたが目指していた最後の秘奥義ね。………あなたの記憶の通り出来ていたけど、そもそも出来ないからこそあなたは転移や神速を覚えて連続で繰り出そうと考えた。なのに何故今この状態であなたは斬空刃無塵衝を使うことが出来たの?』

静寂な場の空気を最初に壊したのはホムラだった。

「………正直分からない。だけど何故か出来る気がしたんだ。エリスは分かるか?」
『待って………なるほど、分かったわ。出来た理由だけど、零治があの時より魔力操作が上手になった事と、ラグナルのメモリーを圧迫していた私が解放された事により、サポートが出来た事が要因ね』
「………待ってくれ、じゃあ神速を使い連続抜刀とか………」
『必要ないわね』

エリスに淡々と言われてしまった。
御神流の修行の目的は神速を手に入れ、斬空刃無塵衝を完璧な物にするためだったのだが、そんなに難しくしなくても出来る様になった事に多少の虚しさを感じた。

まあ今までやって来た事事態は無駄では無かったのだが………

『………まあいいわ。それよりもクレインは?』

ホムラに言われ、俺も慌てて頭を切り替え、確認する。
あの攻撃を受け、立てる筈は無いだろうが、今までの事を考えると油断は出来ない。

「………心配しなくていい……………私の負けだ……………」

そんな俺達が動くのに気が付いたのか、消えそうな声でクレインが呟いた。

「もう………身体が動か……ない。身体…が自分の………物じゃないみたい……だ」

もう動く事すらままならないのか、ビクビクと身動きするだけで、その場から動けないでいた。

「さて………勝負には……負けた………けど、まだ試合は………終わって……ないよ?」
「試合だ?」
「勝利の………褒美に…良い事を……教えて………あげるよ……………」

そう言って大きく呼吸をしたクレイン。恐らく最後に全て言い切るつもりなのだろう。

「このゆりかごの中枢部はそこのモニターを操作すれば道を出現させることが出来る。それを破壊すれば、今もなお展開されているバリアーを解除でき、アンドロイド達も止まるだろう。そうすれば後は僅か残りのエネルギーで上昇する前にゆりかごを破壊すれば君達の勝ちだ」
「エリス」
『ええ!』

俺の呼び声に答えたエリスは人型に戻り、モニターへと走り出した。

「だけど、君達は選択しなければならない」
「選択………?」
「そう。……………ここで爆発と共に死ぬか、ゆりかごの本来の力を取り
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