第一物語・前半-未来会議編-
第一章 時の始まり《1》
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大させ、学勢達の方に向けた。
映画面には簡略化された神州瑞穂の地図が映っている。
地図には奥州四圏と表示されている場所と、日来と表示されている場所に分かれていた。
咲は奥州四圏の東側を指差し、
「今日はこの奥州四圏の辰ノ大花と日来の存続に関わる話し合いをするわけですね。
前にも言いましたが、人類は外交と軍事を主とする社交院と、学業と治安を主する学勢院とで分かれています。これは限りある創生区域での人口の飽和を避けるため、少ない人数でやっていけるようにしたものですね。
社交院は原則として学勢院に手出し出来ません。それはこちらも同じです。しかし、その原則を“常に”破れるのが各地域の学勢院に設けられた覇王会と、社交院のトップ数名です」
別の映画面を出し説明を続ける。
新たに出された映画面には、覇王会と表示され、各職務が表示されていた。
学勢達は教師の話しを、口を開かず大人しく聞いていた。
「覇王会は元々学勢院の軍事を指揮する組織でしたが、それが発展して、学勢達の意思を無視して行う政治に介入出来る組織となりました。
今回もそれに当たります。ですから実際は社交院の方が行う筈でしたが、現覇王会会長である幣君の意見により社交院の代わりに私達、三年一組が行うわけです」
ふう、と息を吐き一息付く。
長々と話すのは慣れていないものでキツい。だが、これからのことを考えると弱音は吐いていられない。
前半はこれで終わりですね。後半もこの調子で行きますよ!
最初に出した映画面を前に持ってきて、宙を撫でて奥州四圏の文字を赤で囲む。
皆は赤で囲まれた部分に注目し、顔をそこへ向けた。
「日来は今、存亡の危機に立たされています。何故なら、神州瑞穂の主戦力である奥州四圏全地域からお荷物扱いされてるからです。
そこで奥州四圏は他勢力群|《イレギュラー》から、古くからの貿易相手である調と呼ばれる貿易艦隊と日来を取っ替えっこしようとしているわけですね。日来に住んでいる私達にはとんでもない話しですから、今回は奥州四圏から最も日来と交友関係を持つ辰ノ大花の覇王会と話し合いをするわけです」
まだ冬を感じさせる冷たい風だが、話して火照っているせいか心地好い。
時間も経ち、今は日が昇って日来の全てを照らしている。
眩しそうに目を細めている学勢もいる。
学勢達を瞳に映し、言葉を続ける。
「ですから私達は、何としてもこの話し合いを成功させなければいけないのです。
いいですか? これは遊びじゃないんです。日来の今後の未来が掛かっているんです。私は貴方達のことを信じていますよ」
「そう言うことだ、分かったかな諸君」
「「お前がだよ!」」
皆はセーランを指して、またツッコンだ。
俺? と言うように、セーランは自分を指す。
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