第一物語・前半-未来会議編-
第一章 時の始まり《1》
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て全力疾走。あれは襲う気よ! あの馬鹿長、元カノいる分際で調子乗ってると思わない? ね、琴姫」
「え? う、うん」
「美琴、そこは否定するところだろうに」
「あっ、いけない」
煙管をくわえた女子学勢、入直の言葉に美琴は顔を赤めながら、飛豊の後ろに見える顔を引っ込めた。
「それにしてもあの二人は遅いな。一体何をやっているのだ」
「トオキンてば遅い遅いうるさいナ」
女子学勢が機竜の鎧甲を蹴っているが、当の機竜は、やれやれ、と言うように頭を掻いている。
ここで学勢院のチャイムが鳴り、バラバラだった学勢達は咲の前に集まった。
少し話を入れながら、
「空子、戦闘の準備はいらないからな。外交とは言え、さすがに今回は襲われないだろうから」
「はいヨ。でもうち、何時でも行けるようにしとくからナ」
「彼方がどう出るか気になるね」
「兄ちゃん、それ嫌でも分かると思うんだよねえ」
「最悪どうなるか予想しているのか? アストローゼ」
「当たり前だ。 価値あるものにはならんがな」
学勢達は言葉を交わし意思を伝える。そして、白い息を吐きながら意思を受け取る。
その時だ。校門の方から二人の学勢が走って来た。
長髪の女子学勢が後ろから走って来る、フード付きの制服を着た男子学勢の腕を掴んで、引っ張るように走っている。
静まり返った校庭に二人の会話が響いた。
「おいおい、そんなに引っ張ったら一本しかない腕が千切れるって」
「人間の腕はそう柔では無いので簡単には千切れませんから。もう、こんな大事な日に寝坊だなんて信じられませんよ」
「仕方無いさ。夜遅くまで想い人のこと考えてたんだから」
へらへら笑う少年に、美兎は焦りの色を隠せないでいた。
何時も呑気でいられると、相手にするこちら側が困ると感じた。
セーラン君は何時も笑ってますよね。さすがに今日は遅刻はしないと思ってましたが、それはなかったみたいです。
はあ、とため息を付く美兎をセーランは笑顔で見ていた。
二人の足音が校庭に響く。
息を切らせながらも美兎は無事、セーランを連れて来た。
そのセーランは息も切らせもしないですぐに歩き出し、二人の教師に手を挙げることで挨拶をした。
二人の教師を越えた先。集まっていた学勢を見渡し、こほん、と咳払いを入れる。
「えっと、美兎のお陰でこうして来られたわけだが。――何やんの?」
「「知らないのかよ!」」
皆はツッコンだ。
知らん、と答えるセーランに呆れてものも言えない。
大声に釣られてか、校舎から教室の窓側付近に座る者達が外を覗き込むように見ていた。
「じゃ、じゃあ確認と学習も兼ねて、皆さんも聞いて下さいね」
咲はそう言い、右手を左に寄せ、素早く右に振り映画面|《モニター》を表示する。
それを拡
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