第十一話。人喰い村からの脱出
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る。
まるで別人のような……そう、何故かは解らないが、誰かの代理でそれを訪ねているような、妙な違和感を感じてしまうんだ。
「当然、好きだよ。愛してると言ってもいい」
「あたしは嫌いだけどね」
「えええぇぇぇ??」
いい雰囲気があっさりと終わった瞬間だった。
「弱いわねー、いかにも雰囲気に飲まれて」
「いや、そうかもしれないけどさ!」
「ふふっ、ばーか」
「いや、まあ……音央も可愛いからさ。っていうか、どうしたんだよいきなり、恋愛話なんて」
今の状況でいきなり尋ねてくる内容としてはずれてるよな?
もっと、ロアとか戦いに関する事を聞かれると思っていただけに戸惑ってしまう。
「わかんない。なんとなくこの村の空気を感じていたら……モンジに尋ねておきたいなーって思ったのよ」
「なんとなく?」
「そ。なんだろう……なんとなく聞いておきたくなっただけ」
音央は胸に手を当てて、目を伏せた。
何故だろう。
______その横顔に見覚えがあるような気がして、胸がドクンと跳ねる。
そう、だ。
俺は……この村みたいな場所で……音央みたいな少女と……。
「……モンジ?」
「ん? うおっ!」
気が付くと、音央の顔がすぐ側にあった。
「どうしたのよ、ボーっとして」
「わ、悪い。ボーっとしてたか、俺」
「うん。なんか起きたまま夢でも見てるみたいにぼんやりしてたわよ?」
夢でも見てるみたいに、か。
そうだ。俺はなんとなく、夢で会ったあの少女を思い出していたんだ。
あの夢の中で感じた雰囲気や空気とこの村の雰囲気や空気は……どこか似ている、そんな気がする。
ただの夢のはずなのに、夢じゃないような……そんな気がする。
っといかん、いかん。
ボーっとしてる暇はない。
村人達が迫っている状況で音央を一人にするなんて大失態だ。
「ごめんよ。で、なんだい?」
「脱出の仕方の相談。この村から、ひとまず出るんでしょ?」
「あ、うん。そうだったね」
「あたし達が最初にいた場所に戻ってもダメなのかな?」
「入り口イコール出口、その可能性も考えたけど……スタート地点はあの村の中なんだよなー」
「そうなのよね。あの場所が分かり易いくらい『門』とかだったら良かったのに」
『門』か。
だけどその場合、『門番』とかがいそうで嫌だなー。
普通の門番ならともかく、『五十頭百手の巨人』とかが門番だったら帰還できない無理ゲーになるぞ。
「山の中をこのまま直進すれば……いや、ダメだな。
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