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竜のもうひとつの瞳
第十話
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 ああもう……いい子なのは分かるけど真っ直ぐすぎるって。
苦笑して頭を撫でてやると、ばつが悪そうな顔をして幸村君は俯いてた。

 「気にしてないから。ね?」

 「……小夜殿がそう申されるのならば」

 つか、土の上で座ったら白い袴が汚れちゃうよ。汚れ落とすの結構大変なんだから。

 幸村君を立たせて着替えるように促し、一緒に屋敷の中に入って行った。

 この子も結構可愛いんだけど……どうにも暑っ苦しくていけないんだよなぁ……。
政宗様や小十郎によく似たところがあるけど、純情で初心で。
何かある度にコレやられるとこっちが気を遣っちゃって大変。

 どれくらい貰えるか分からないけど、お給料貰ったらお暇しますか。
あんまり奥州と近いところにいるのも良くないしね。見つかっちゃったら政宗様の側室ルート解禁になりそうだし。
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