第十話
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てきた刺客を倒しちゃって
佐助の出番はほとんど無いといった有様だった。
あちらさんは全滅と。じゃあ、こっちは生け捕る方向で動きますかね。
襲ってきた目的も訪ねなきゃいけないだろうし。
「二人とも、加勢はいらないから近寄らないでね〜。死にたくなければね」
一応注意を促しておいて、私は敵目掛けて突っ込んでいった。
その間にいろいろと私に向かって何かを投げつけてくるんだけど、
全部私に当たることなく宙に浮かんでふわふわしている。
流石にこれは予想していなかったのか、思わぬ展開に敵も吃驚して一瞬動きを止めたのがいけなかった。
「悪いけど、生け捕らせて貰うよ」
ズン、という重い音と共に私を狙っていた敵が全部地面に倒れた。
一切手を触れずに倒れた敵に、幸村君や佐助は勿論倒された敵も呆気に取られている。
これが私の属性、ってか婆娑羅の力で、重力を操る力があるみたい。
普通は炎や氷、風、雷、光、闇の六種類らしいんだけど、神様から貰った能力が重力だったのよね。
だから投げつけられたものを空中にふわふわと浮かせてみたり、
逆にぺちゃんこに潰せるくらいの圧力をかけてみたりとそういうことが出来る。
まぁ、最も応用を利かせて自由に空飛んだりとか投げつけられたものを相手に返すとか、
そんなのも出来るけど流石にこの場で手の内晒すのは気が引ける。
どうせそのうち敵になるんだろうし、こちらの手の内をあんまり見せたくは無い。
「てなわけで、生け捕ってみたけどどうする? 殺す? それとも拷問でもかけて誰が仕掛けてきたのか吐かせる?」
ちなみに自害させるなんて温い事は致しません。
ちゃーんと舌が噛み切れない程度の圧力はかけてるから、しようと思っても自害は出来ません。
ぶっちゃけこんな事態は政宗様や小十郎の命を狙ってやってくる暗殺者の対応で慣れてるしねぇ。
「いや、何処の者かは分かっておりますれば……逃がしてやっていただけませぬか」
意外な幸村君の言葉に諌めるかどうしようかと一瞬考えたけど、言われた通りに圧力を解いて逃がしてやった。
優しいのは良いけれど、逃がしたところでどうせまた狙いに来るんだろうし、意味無いよ?
余程そう言ってやろうかと思ったけど、ま、人様の事情だからそこまで首突っ込む気はない。
どうせ私には関係の無い話になるのだから。
「優しいですね、幸村様は」
嫌味で言ったつもりだったんだけど、何を勘違いしたのか幸村君は真っ赤になってました。
……おいおい、これくらいで真っ赤になんなよ。どんだけ純情なんだよ、君は。
「さ、真田の者なのでござる……あの者達は」
真っ赤な顔をしながらも、気を取り直してそう告げた幸村君に私は眉を顰めていた。
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