17話
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「取り合えず……」
コンコルドの神器モードを翼では無く、変則的なブーメラン状に変化させてそれをレイナーレに叩き付けると、
「さっさとこのかび臭い場所から詩乃を連れ出さないとな」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!」
そんな呟きと共に高速で回転するブーメランがレイナーレを振り回しながら、四季の開けた大穴を一直線に飛んでいく。
「キング、そっちの子を頼む。流石にこんな所に放置するのは気が引ける」
「そうだな」
カツキングも神器を抜かれた事で命を落としてしまったアーシアに対して同情的だったのだろう。せめてちゃんとした場所で弔ってやろうと考えて彼女を抱え上げる。
「クロス、雑魚の相手はその辺にしてさっさとここを出よう。……丁度良い墓穴も有る事だし」
「そーだな」
襟首を掴んでいたはぐれエクソシストを投げ捨ててクロスファイヤは興味が無くなった様子で立去っていく。後に残ったのは腰を抜かして必死に逃げようとしている……クロスファイヤに見逃された者達と、愚かにもクロスファイヤに挑んで返り討ちにされた者の辛うじて生き残っている生き残り達だけだった。
本来の出入り口ではなく先ほどあけた大穴から飛び出していく四季達三人……目的は既に果たしている。既に階段は……無事かもしれないが、地上部の教会だった物が瓦礫の山に変わっているため、其処からの脱出は不可能だろう。
「ガハァッ!!!」
上空まで飛翔したブーメランは機動を変えて今度はレイナーレを地面へと叩き付ける。切り裂かれた腕の痛み、上空から全身を地面に叩きつけられた痛みに耐え、這いずりながら一刻も早くその場から逃げようとする。
(早く、早く逃げないと……殺される。あの化け物達に……)
自分達の領域までは追ってこないだろうという予想。其処まで逃げてアーシアから奪い取った神器をアザゼルへと献上すれば、自分を守ってくれるだろうと言う希望的観測……それがレイナーレを動かしていた。
泥と土、誇りに塗れながら傷だらけになって地面を這いずる姿は、彼女の考えていた至高の堕天使の姿からは遠く離れているだろう。
既に自分のせいでグレゴリ本部にアウトレイジの二人……ジャッキーとブルースが乗り込んでいて……アザゼル達穏健派の幹部が死を覚悟していると露知らずに。
このまま逃げ込んだ所で、それは単なる飛んで火に入る夏の虫。
『何処へ行く気だ?』
「あ……ああ……」
地面を這うレイナーレの前に誰かが立ち塞がる。それを忌々しげに見上げた瞬間、レイナーレの貌が絶望に染まる。
冷酷な瞳で彼女を見下ろしている四季と、四季から預けられた詩乃を背負っているクロスファイヤ、背負っていたアーシアを地
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