暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十三話
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
替わるんでしょうけど、それまでは『入れ替わり』以外の物語を実行しつつ、それに対する人の反応を楽しみつつ、練習していくつもりです!……まあ、まずは緊張しないようにならないと、なんですけどね」
「……そっか。それは大変だ」
「ええ、大変です。でも、ちょっと楽しみです」

 そういうことなら、俺から何か言うのはお門違いだろう。鈴ちゃんにも、鈴ちゃんと入れ替わった子にも。だから、もう後はただ応援しているくらいなのかな?

「はい、以上で終わりです!ここからは、パイセンに質問していってもいいですか?」
「おう、いいぞ。つっても、俺はまだ俺のロアがどんなものなのか分かってないから、そこを聞かれてもどうしようもないんだけどな」
「それは大丈夫ですよ!そこには興味ないですから!」

 はっきりと言われて、ちょっと傷ついた。

「えっと、じゃあ何を?」
「それなんですけどね。パイセンって、主人公のロアなんですよね?」
「そうみたいだな」

 まだちゃんと実感できているわけではないのだけれど、まあ事実としてそういうものらしい。

「それって、自分の物語を集めていく存在だって聞いてるんですけど、もう誰かいるんですか?」
「あたしがそうね」

 と、俺に向けられた質問にはテンが答えた。
 というか……え?

「テンって、そうだったのか?」
「そうよ?もしかして知らなかったの?」
「知らなかった。ってか、そんなこと言わなかったじゃねえか!」
「まさか知らないとは思わないでしょ……。Dフォンから祝福するような音、でなかった?」
「出たな」
「あれ、物語になった、っていうことよ?」

 あの音は、そういうものだったのか。
 やっぱり、どう考えても『ロア』関連の説明が足りない。Dフォンを配るなら、一緒に簡単なレクチャーもしてほしいものだ。

「あー……そういうことらしい」
「他にはいないんですか?」
「いないなぁ……ってか、体験したロア自体鈴ちゃんが二回目だし」
「じゃあ、立候補していいですか?」

 ……うん?

「えっと、俺の物語に?」
「はい、カミナパイセンの……『畏集いし百鬼夜行』の物語の一つに」
「……そんなことできるのか?」

 俺は本当にまだ何も知らないので、テンに聞いてみる。

「あー、そうね……縁があればできるわよ」
「つまり、コードをDフォンに登録できれば、ってことか?」
「そういうこと。もちろん、そうじゃなくてもそのロアの『物語』をちゃんと攻略できればいいんだけど、今回のは、ちょっと……」
「あぁ、確かに……」
「あれは、無理だろうねぇ」
「スイマセン……」

 鈴ちゃんが申し訳なさそうにしているけど、まあその通りだと思う。あれを『音楽室のクラリネット』の『物語
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ